TVドラマの長寿番組といえば、『水戸黄門』 や 『大岡越前』 などがありますが、それらの作品に劣らない長寿シリーズがありました。
いわゆる〝必殺シリーズ〟がそれですが、その第1作目となった
必殺仕掛人
の初回が放送されたのが、今からちょうど50年前の今日・1972(昭和47)年9月2日のことでした。
当時は 『水戸黄門』 や 『遠山の金さん』 など、身分を隠した権力者が最後に悪者を懲らしめる・・・というワンパターン時代劇が殆ど。
しかし同年1月からフジテレビ系列で渡世人が活躍する 『木枯らし紋次郎』 が始まり、「あっしには関わりのねぇこって」 が流行語になるほどの人気を博していました。
その煽りを受けて低視聴率に喘いでいた朝日放送のディレクターが対抗策として選んだ原作が、池波正太郎さんの 『仕掛人・藤枝梅安』 。
※池波さんに関する過去記事は、こちら。(↓)
金で人殺しを請け負うというそれまでにない斬新かつ刺激的な設定に当初TBSは放映に難色を示したそうですが、結局は9月2日にオンエア開始。
メガホンを取ったのは、この翌年公開された映画 『仁義なき戦い』 をヒットさせた、深作欣二監督。
表は口入屋(現代でいうなら労働者仲介業)ながら、裏では元締めの音羽屋半右衛門に重鎮・山村聡さん。(↓)
腕利き針医者の仕掛け人に緒形拳さん。(↓)
そして音羽屋にスカウトされて仕掛人となった浪人に林与一さんという配役で始まった同番組は、局内の予想に反し高視聴率をマーク。
当時中学生だった私は、土曜日は夜8時から 『8時だョ! 全員集合』、9時から 『キイハンター』、そして10時から 『必殺仕掛人』 と、オフクロの 「勉強しなさい!」 という脅しにも屈せず(?)、3時間ぶっ通しでテレビにかじりついてました。
同番組は翌73年4月に終了しましたが、すぐにシリーズ第2作 『必殺仕置人』 がスタート。
この時から必殺シリーズの顔となる、藤田まことさん(↓)演じる中村主水が初登場。
以来シリーズには欠かせぬ人気不動のはまり役となったのは、皆さんもご存じのとおり。
そして入り婿の彼をイビる菅井きんさん(↓)も欠かせぬ脇役でした。
私も必殺シリーズはよく観ていましたョ。
世の中の不条理を自分たちになり替わって成敗してくれるんですから、観れば誰でもスカッとしますょネ。
この番組の制作ディレクターが土曜日の夜飲んでいたら、サラリーマンのグループと隣り合わせになったそうな。
「もう一軒行こう」 と盛り上がっていた彼らの中に、1人だけ 「オレは帰る」 と言い張る人が。
「なんでやねん」 といぶかる仲間に、彼は
「必殺っちゅう、オモロい番組観たいねん。」