花があったら・・・ | ウォームハート 葬儀屋ナベちゃんの徒然草

ウォームハート 葬儀屋ナベちゃんの徒然草

〝可憐な花々に囲まれた心温まるお葬式〟をモットーに、日々お客様のために頑張っております葬儀社ウォームハート・・・の社長、人呼んで「葬儀屋ナベちゃん」です。 毎日の仕事や、人・映画・書籍等との出会いの中で感じたことなどを徒然なるままに綴ってまいります。


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そろそろ東京にも中国大陸から黄砂やらPM2.5やらが飛んできそうな時節ですが、今から73年前の今日・1945年3月10日未明に上空から雨あられと降り注いだものは、そんな微粒子ではなく・・・高性能爆弾でした。

 

それは太平洋戦争時に延べ100回以上行われた米軍による東京空襲の中で最も甚大な被害をもたらした

 
東京大空襲

 

と呼ばれる、1機平均6トンもの (日本の木造家屋により大きなダメージを与えるべく開発された) 焼夷弾を搭載した300機以上のB29爆撃機によって、深川・浅草を中心とした下町地区を重点に午前0時過ぎから2時間以上に渡って行われた絨毯爆撃。

 

日露戦争以降、我が国において3月10日は 『陸軍記念日』 だったそうで、一説には日本の気力を削ぐため敢えてこの日が選ばれたともいわれているこの大規模空爆による被害は、

 

 死亡者数・・・8万人以上(一説には10万人以上)
 
負傷者数・・・11万人以上

 焼失家屋・・・約27万8千戸

 被災者数・・・100万人以上

 焼失面積・・・約41k㎡(東京ドームのグラウンド3,000面以上)

 

にのぼりました。

(※犠牲者数は、単独の空爆としては世界史上最悪の数字。)

      ウォームハート 葬儀屋ナベちゃんの徒然草-空襲       

 

例年マスコミはこの大空襲に関して8月の原爆記念日ほど注目しませんし、明日3・11の東日本大震災に関する特集の如き大きな扱いもしないでしょう。
 

しかしながら被害の規模は広島・長崎の原爆投下に匹敵するこの大空襲を、私たちは平和を願う日本国民として絶対に忘れてはならないと思うのです。

 

その想いを込めて・・・当時学徒兵として遺体の処理作業に従事された須田卓雄氏が、1970年12月29日付朝日新聞紙上に発表された 『体験談』 をご紹介致します。

 

         ◆     ◆     ◆     ◆

 

昭和二十年三月十日の(東京)大空襲から三日目か、四日目であったか、私の脳裏に鮮明に残っている一つの情景がある。

永代橋から深川木場方面の死体取り片付け作業に従事していた私は、無数とも思われる程の遺体に慣れて、一遺体ごとに手を合わせるものの、初めに感じていた異臭にも、焼けただれた皮膚の無惨さにも、さして驚くこともなくなっていた。

午後も夕方近く、路地と見られる所で発見した遺体の異様な姿態に不審を覚えた。

頭髪が焼けこげ、着物が焼けて火傷の皮膚があらわなことはいずれとも変りはなかったが、倒壊物の下敷きになった方の他はうつ伏せか、横かがみ、仰向きがすべてであったのに、その遺体のみは、地面に顔をつけてうずくまっていた。

着衣から女性と見分けられたが、なぜこうした形で死んだのか。

その人は赤ちゃんを抱えていた。

さらに、その下には大きな穴が掘られていた。

母と思われる人の十本の指には血と泥がこびりつき、つめは一つもなかった。

どこからか来て、もはやと覚悟して、指で固い地面を掘り、赤ちゃんを入れ、その上におおいかぶさって、火を防ぎ、わが子の生命を守ろうとしたのであろう。

赤ちゃんの着物はすこしも焼けていなかった。

小さなかわいいきれいな両手が母の乳房の一つをつかんでいた。

 

だが、煙のためかその赤ちゃんもすでに息をしていなかった。

 

       ウォームハート 葬儀屋ナベちゃんの徒然草-空襲

 

わたしの周囲には十人余りの友人がいたが、だれも無言であった。

どの顔も涙で汚れゆがんでいた。

一人がそっとその場を離れ、地面にはう破裂した水道管からちょろちょろこぼれるような水で手ぬぐいをぬらしてきて、母親の黒ずんだ顔を丁寧にふいた。

 

若い顔がそこに現れた。

 

ひどい火傷を負いながらも、息の出来ない煙に巻かれながらも、苦痛の表情は見られなかった。

これは、いったいなぜだろう。 美しい顔であった。

人間の愛を表現する顔であったのか。

 

だれかがいった。 「花があったらなあ――」

 

あたりは、はるか彼方まで、焼け野原が続いていた。
私たちは、数え十九才の学徒兵であった。

 

           ◆     ◆     ◆     ◆

 

中近東などにおける現代の戦闘では 「誤爆により市民が何名死傷」 などという報道がなされ、そのたびに〝非人道的〟という批判が起きます。


しかし東京大空襲に於いて亡くなった8万人以上もの犠牲者の殆どは非戦闘員である一般市民であり、まさに桁違いの大量虐殺。

これは原爆投下と並び、非戦闘員の殺傷を禁じたハーグ陸戦条約に違反した非人道的行為。

戦後、連合国は極東国際軍事裁判などで〝人道に対する罪〟を犯したとして多くの日本兵をC級戦犯として有罪にしましたが、アメリカにそんな判決を下せる権利があるのでしょうか?

 

なのに日本政府はこれに抗議するどころか、この大空襲を指揮したカーチス・ルメイ少将に対し、なんと1964(昭和39)年に 「航空自衛隊の育成に貢献した」 という理由で勲一等旭日大綬章を授与しているのです。

※彼に関する過去記事はこちら。(

 

 

チャップリンの映画 『殺人狂時代』 に「1人殺せば殺人犯だが、100万人殺せば英雄だ!」 という名台詞がありますが、まさにそれを彷彿とさせます。

私たちは、今1千万以上もの人々が平和に暮らしている東京が嘗ては凄惨な修羅場・焼け野原であったことを決して忘れることなく、同時にそのどん底から血の滲むような努力を重ねて目覚ましい復興を成し遂げた先人達に深く感謝し、またこの史実を後世に語り継がなければいけません。

 

あらためて東京大空襲によって尊い命を奪われた犠牲者のご冥福を、衷心よりお祈り致します。

 

 

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