キャンペーン狂騒曲 < 下 > | ナベちゃんの徒然草

ナベちゃんの徒然草

還暦を過ぎ、新たな人生を模索中・・・。

キャンペーンに入賞を果たしたのに、なぜ私が窮地に追い込まれたのか?

 

実はD社長、最初に私からのキャンペーン内容の説明をロクに聞いていたかったため、抽選会があるなんてことは全く頭になく、売上トップになれば自動的にビデオレコーダーが貰える・・・そう思い込んでいたんです。

 

そのことを私が知ったのは、打ち上げ抽選会の前日。 D社長が、

 

「おい、明日もらえるんだろ。 その〝ビデオ何とか〟っていうヤツ。」

 

と嬉しそうに電話口で私に言った時でした。

 

今更抽選で外れたら貰えないなんて言えるわけもなく、電話を切った私はすぐに上司に報告・相談したんですが、

 

「そもそも抽選会を考えたのはオマエなんだし、事前に周知徹底できなかったのもオマエの不手際。 
だからもし外れたら、オマエが自腹で買うしかないだろ。」

 

と、突き放されてしまいました。うー

 

当時ビデオレコーダーの価格は10万円以上。

私の給料の、手取りほぼ1ヶ月分ですョ。

 

嗚呼、あとは運を天に任せるのみ・・・。
 

(もしかしたら、1ヶ月タダ働きになるかも・・・。)

 

そんな恐怖感で前夜一睡もできなかった小心者の私は、命運を握る 〝ガラポン抽選機〟を自ら手配し、(頼むゾ!) と念を込めつつ玉をセット。

 

         

 

試しに自分で10回程トライしてみましたが、全部ハズレの赤い玉。ダメだぁ顔

 

イヤ~な予感を引きずったまま、全ての準備が整ってから1時間後の午後6時、キャンペーン表彰式が始まりました。

 

会場は社員や取引先総勢50名近くの参加者で熱気ムンムン。


乾杯後にしばし酒宴が盛り上がったところで、いよいよ抽選会の始まり始まり~。

 

司会役の私から

 

「それではまず最初に、今回のキャンペーンでまたまた売上第1位のD社長にご登場願いましょう!」

 

と振って、抽選機の前に引っ張り出します。

 

怪訝な顔をしているD社長に、

 

「ここは盛り上がりどころですから、勢いよく回してくださいョ。」

 

と耳打ち・・・すると、かなり酒が入ったD社長は、

 

「お、おう。 分かった。」

 

と言って、ガラポンの前に。

 

すると次の瞬間、なんと両手でガラポン本体を鷲掴みにしてユサユサ揺らし始めたのです。

 

「ちょっと、社長。 そ~じゃないですって。 回すんですョ。」

 

「分っとるョ、そんなことくらい。 ちょっとおまじないをかけたのサ。

よ~し・・・まぁ、見てなって!」

 

と言うが早いか、取っ手を持ってグルングルンと全速力で5~6回は回転させたかと思うと、

 

「キェ~~~ッ!」

 

という気合(というか奇声)とともに急に手を止めると・・・ポロッと玉が一つ出てきました。

 

な、何とコレが一等大当たりのキンタ・・・あ、いや、ゴールデンボール!!驚き顔 ワォッ

 

「やりましたァ~、いきなり1等大当たりィ~!」

 

手にしたリンをガランガランと鳴らしながら叫ぶ私は、おそらくD社長以上に興奮していたはず。

 

他人の福引当選を心から喜んだのは、後にも先にもこの時だけでしょうネ。

 

しかし、100分の1以下の当選確率だったゴールデンボールをいきなり最初に出すとは、類まれなる強運の持ち主ですワ。

 

皆にヤンヤの喝采を受け、ビデオレコーダーを手に上機嫌でタクシーに乗って帰ったD社長。

 

結果的に全て丸く収まって、ホッと胸をなでおろした私や先輩社員は、その後遅くまで祝杯をあげたのです。

 

翌朝・・・少々酒が残って頭がガンガンしている私に、D社長から電話が。

 

「お~い、ナベちゃん。 この機械とテレビのつなぎ方、分かんねぇぞ!

すぐウチに来て、見えるようにしてくれヤ!」

 

・・・私ゃ、電気屋か!怒

 

もう、クッタクタ。

 

 

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