皆さんは 〝バロック音楽〟 というと、どんな作曲家をイメージしますか?
バッハ、ヘンデル辺りの名前が出てくると思うのですが、もう1人日本人にとってポピュラーな方といえば、
アントニオ・ルーチョ・ヴィヴァルディ
Antonio Lucio Vivaldi
今日は、音楽家であると同時にカトリック司祭でもあった彼の命日にあたります。
1678年にイタリア・ヴェネツィアで生まれたヴィヴァルディは、理髪師兼ヴァイオリニストであった父親からヴァイオリンの手ほどきを受けたとか。
教会付属学校に入学後25歳で司祭となった彼は、その年にピエタ慈善院付属音楽院でヴァイオリン・ヴィオラを教え始め、同時に多くの器楽曲・宗教曲を音楽院に提供。
やがてオペラ作曲家としての名声が高まり、ヴァイオリニストとして、またオペラ上演のためにヨーロッパ各地を旅行したようです。
今から275年前の1741年6月28日に63歳で世を去るまで、500以上の協奏曲・52のオペラ・73のソナタ等、多くの作品を残しましたが、後ろ盾であったカール6世亡き後の彼の晩年は不遇であったらしく、詳細は分かっていません。
司祭という聖職者であったにもかかわらず、彼がウィーンの貧民墓地に埋葬されていたことが判明したのは200年以上経過した1936年、しかもその理由は今もって謎のまま。
バッハ・ヘンデルなどの大作曲家に確実に影響を与えたにもかかわらず、彼の存在は近年まで殆ど知られていませんでした。
1926年にイタリアのトリノ大学図書館で膨大な数の自筆譜が発見され、ヴィヴァルディの音楽活動の概略が判明。
初めて音楽史における彼の存在にスポットライトが当たったのです。
私のCDライブラリーには、ヴァイオリン協奏曲やフルート協奏曲、チェロ・ソナタやチェロ協奏曲など何枚かありますが、いずれも就寝前や起床時に聴くと気持ちが休まる曲ばかり。
しかし日本で最も有名かつダントツ人気の作品は、『四季』 でしょう。
この曲は、12曲からなるヴァイオリン協奏曲集〝和声と創意への試み〟の第1集(第1~4曲)に、それぞれ春・夏・秋・冬と名付けられたもの。
誰もが一度は耳にしたことのある旋律・・・ストリングスの響きは、聴く人の心を和ませてくれますょネ。
以前購入したカラヤンのCD・BOXにもベルリンフィルとの協演が収められていて、私にとっては嬉しい誤算でしたが、やはりこの曲の演奏と言えばイ・ムジチ合奏団でしょう。
1959年、初代コンサート・マスターのフィリックス・アーヨによる2回目の録音盤が全世界で950万枚以上の大ヒット。
日本でもクラシック音楽初のミリオン・セラーとなったことで、バロック音楽ブームの火付け役になりました。
現在まで何回も新録音・発売が繰り返されとおり、累計販売枚数は日本だけで軽く300万枚超・・・これはクラシック音楽におけるレコード・CD最高の売り上げ記録。
(ただし、このイ・ムジチ人気は日本独自のものだとか。)
我が家にも、いつ購入したかは定かではありませんが、しっかり2枚あります。
左が1982年、右が1988年の録音ですが、3年前には過去6回の録音を全部集めたCDセットも売り出されていますから、『イ・ムジチの四季』ファンの方は、是非お買い求めの上聴き比べてみてください。
さて、皆さんの一番好きな季節は、いつでしょうか?
テレビなどでよく使われるのは〝春〟の第1楽章ですが・・・私は〝冬〟の第1楽章がお気に入りなんですが・・・それではイ・ムジチの演奏でお聴きください。(↓)
https://www.youtube.com/watch?v=IjM4EBgg0io