大相撲初場所も終盤戦に突入。
またまた両横綱を筆頭に、外国人力士の優勝が確実の様相です。
そもそも三役以上の力士１０人の内、日本人力士は僅か４名なんだから仕方ない？・・・のですが、来場所からは更に１人減ることになりました。
先日、大関・千代大海が引退を発表したことは、皆様もご存じだと思います。
大関在位歴代1位の６５場所、しかし一方でカド番も歴代最多の1４場所を数えた彼に対する評価は人それぞれでしょうが、今は少なくなった豪快な突き押し相撲が見られなくなるのは寂しい限り。
中学までのヤンチャぶりはあまりに有名・・・頭一つ抜け出た大きな身体でソリコミを入れた迫力十分な彼が、学生服姿で卒業証書を受け取るＶＴＲは強烈でした。
あまりの暴れぶりに父親は地元の刑事と友達になったそうですが、母親から
「何のために育ててきたのか・・・このまま一緒に死のう。」
そう言われて目が覚めた１６歳の少年は、「親孝行しよう」 と一念発起。
元横綱・千代の富士率いる九重部屋に入門し、１７年間土俵を務めたのです。
ボロボロになるまで現役に拘った千代大海関・・・引退会見では誠に晴れやかな表情でした。
あのソリコミ入れたツッパリ君と同一人物とは、とても思えないですょネ。
どんなヤンチャでも、本人の意識変革と相応しい環境があれば立派な大人になれる・・・それを彼は見事に実証、全国の親たちに勇気と希望を与えたことでしょう。
｢『クソ婆、死ね！』 なんて言っていたのが、『長生きしてオレの孫の顔を見るまで死ぬなよ』 と言ってくれるのが嬉しいです。｣
・・・そう母親に言わしめたのですから、入門時の目標はほぼ達成したと言えるのではないでしょうか？
現役引退後も部屋付きの年寄として、後進をしっかり指導して欲しいです。
ところで、私は思うのです。
彼のことを〝（元）ワル〟って言いますけど・・・子供の頃は親の言う事を聞いて一生懸命勉強に励み一流大学を出たとしても、無駄な公共事業や天下りを繰り返して国民の血税を無駄遣いする官僚や政治家になった人物と、一体どっちが本当のワルなんだ？ って。
