久方ぶりのブログです。

 焼き物づくりを始めたころ瀬戸や美濃の土屋さんや釉薬屋さんへ伺うと、「坂下からきたのか、坂下の長石には世話になったよ。」とよく言われた。私が子供の頃、我が家の鳥屋に行く途中に長石を採っているところがあった。その頃はきらきら輝く石を拾ったりした。

 私が焼き物を始めたころは「坂下長石」はもうあまり掘っていなかった。何回か拾いに出かけた。私見を重ねてとても個性的な釉薬の原料になった。

 80年代、90年代にアメリカで仕事をしているとき、あるアメリカ人の陶芸家が「田立フェルドスパー」って知っているか?「とてもいい長石だよ」と訊かれて、それが坂下の隣町南木曽町の田立で掘っている長石のことだった。日本に帰って、まだ木曽川の近くにあった製造所を訪ねて何種類か分けてもらった。言われたように超一級の長石だった。残念なことにこの「田立長石」の会社は廃業してしまった。南木曽には南木曽長石を掘っているところもあった。これもまた独特の風合いのものになった。