この記事は私が音大でやっている授業内容の1部分を学生の予習、復習の目的でこちらのページに記載しています。



グッド!How To Improvise
Part2_Blues Scale


ジャズを学ぶとき、避けて通れないのがブルースです。

ブルースって言葉はいろんな意味があるのですが、ここではアドリブを練習するための「素材」としてのブルースを取り上げたいと思います。

ブルースを練習する時まず最初にやれば良いと思うのは・・・

音譜ペンタトニック・スケールです。

ちなみにスケールというのはアドリブを練習するときに非常に便な利なTools(道具)です。
音の集合体であるスケールはメロディやコードを構成する元になったり、練習するときのシークエンス(パターン)を作ったり、作曲のためのアイデアの元にしたり・・・
いろんな音楽創作のために役立つアイテムです。

そのアイテムの中でも特に有名なのがペンタトニック・スケールです。

ブルースは「単一の調」を強調するという、説明するとよけむずいのですが・・・
要するに一発ものといわれる、コードが変わっても一つのキー、またはスケールを元にしてアドリブできるという素晴らしい特性を持っています。

音譜ペンタトニックというのは5音階のことです

この世にはいろんな5音階があるのですが、ここで取り上げるのは次のスケールです。

Cマイナー・ペンタトニック・スケール
$『道』Blog-penta1

このスケールはブルースのコード進行の上で大変良く(心地よく)響きます。

Cのキーのブルースは次の進行です。

[|:C7|F7|C7|C7|
F7|F#dim|C7|A7|
Dm7|G7|C7A7|Dm7G7:|]

まず、サウンド・カラーの性格をつかんでください。
左手でブルースの各コードを(ルバートで)弾きながら、右手でペンタトニックスケールをランダムに弾くのです。歌いながらやっても気分いいですよ。

音譜そしてバリエーション

Cマイナー・ペンタトニック・スケール+ブルーノート(ブルース・スケール)
$『道』Blog

このブルーノートといわれるb5の音、この音がハーモニーに与える影響は多大なものがありました。
特にデューク・エリントンはこのサウンドを本当にうまく使い、メロディーにハーモニーにキャラクターを与えた楽曲を多く残し、後のジャズ界に大きな影響を与えました。

音譜ブルース・スケールはコードに対して使うのではなくキーに対して使います

ジャズのアドリブはコード進行に対して忠実で無くてはいけない!という、「教え」があります、が!アドリブは「コード進行の僕」であってはいけません。

メロディはメロディ、コード進行はコード進行という風に独立して考えないと、ただコードを追っかけるだけのアドリブになってしまいます。

もちろんコード進行を追っかけられる感覚をテクニックとして持つ事は必要です。
特にビバップに代表されるジャズらしいアドリブを身につけるためには鍛錬しなくてはならないです。

でも、このブルース・スケールでスキャットをするような感覚、ゴスペルやソウル、ファンクのボーカリストがやるような「コブシ」も身につけたいテクニックの一つです。

自分の楽器で(ドラムの方は歌で!)このスケールを使ってアドリブしましょう!
伴奏の上で歌うのがコツです。サウンドの上で練習しましょう。まずはブルースの上で。

Kenny Burrell - Chitlins Con Carne
これはCのブルースです。
これにあわせてブルース・スケールを弾いてみてください!

たのしいよ~





チョキおまけのコーナー
Dig it!

メージャー・ペンタトニックを使うとさらに世界が広がります。


Cメージャー・ペンタトニック・スケール
$『道』Blog

Cメージャー・ブルース・スケール
$『道』Blog

音譜マイナーペンタとメジャーペンタを使い分けるとブルースにコード進行感を与える事ができます。

次の例はマイナーペンタとメジャーペンタ両方を使い分けて作った書きソロです。

$『道』Blog