「なんで今から考えなきゃいけないのよ」
「その時が来てからやればいいことだ」
「縁起でもない!」
猫を育てるとは。
生き物を育てるとは。
「共に暮らし、最後まで面倒を見る」とは、
「命に寄り添い、その最期を看取る」ことと同じ意味。
……って、難しく言っても理解してもらえないものですが。
以前にも書きましたが、
あなたの目の前にいる、もしくはこれから迎え入れようとする愛猫は、
きわめて高い確率で、あなたより先に命を燃やし尽くし、この世を去ることになります。
愛猫は「かわいい」「癒される」もの、ではありますが、
人間と同じく「命あるもの」「老いていくもの」「不死身ではないもの」という認識を、
頭のどこかに置いて日々接することの大切さ。
この「ねこライフ手帳 ベーシック」を作る上で、私(委員長)が真っ先に考えたこと、
そしてこの手帳を作りたいと思った一番の理由と意義が、ここから先のページに含まれています。
●終生に備えて(81~82ページ)
【記入項目】
愛猫の葬儀(火葬)と供養についての予定、計画
まず法律上、動物の死体については「廃棄物」の扱いとなります。
よってドライな表現ですが、一般ゴミとして処理を行っても問題ありません。
(お住まいの自治体によって廃棄、処理の方法が異なりますので必ず事前の確認を)
そして この記事 でも書きましたが、私有地であれば火葬をせず、そのまま埋葬することも可能です。
これらを含め、愛猫の亡骸について、我々家族にはいくつもの選択肢があることとなります。
一緒に日常を過ごした愛猫ですから、多くの場合は「火葬」となりますが、
個別で火葬してほしい、火葬の場に立ち会いたい、遺骨を返してほしい、ちゃんとお葬式もしてあげたい、ペット専門の業者にお願いしたい……といった要望と、それぞれの選択肢に必要な経費を比較した上で考えていく流れです。
以下、あくまで参考の記入例です。
年数が経てば施設や業者の変遷や、その方法の多様化、経済的な面での変化など、
最初に記入した内容を変更するケースもあるかと思います。
複数の候補を挙げておくことや、中身を書き換えることなどをしやすいようなスペースの使い方をおすすめします。
とにかく、少なくとも火葬に関しては、
切羽詰まった状況の中で、ゼロからあれこれ冷静に考えられるようなものではないですよ、ということが言いたいわけです。
自由参入の世界なので、いろんな業者が存在します。
価格もそれぞれです。サービスの内容もそれぞれです。
気が動転した中で、相手側に言われるがままの対応をした結果、トラブルになった話もよく聞きます。
でも、焼かれてしまったものを元に戻すことはできません。
これもまた、あらぬ形で理不尽に悲しみを増幅させてしまわないための「自衛」です。
返骨を希望する場合には、その後の「供養」についても検討が必要です。
こちらもいろんな考え方がありますが、主なポイントは2つでしょうか。
「遺骨の在り処をどうするか」、そして「供養に際しての費用をどうするか」
愛猫の遺骨を自宅に置かれているご家庭は少なくありませんが、
ひとり暮らしや子供のいない世帯など、いずれ何らかの形で遺骨の安置場所を動かす必要があるなら、その先のことまでしっかりと考えてみてはいかがでしょうか。
また納骨をされる場合にも、そこに 継続的な費用の負担が生じるとなれば、
「いつまでこの形を続けるの?」という問題に対する思案は不可欠 です。
息子や娘の代、孫の代……
「何? ウチ、猫がいたの?」と言われそうな世代にまでお金を払わせるのは、あまり現実的ではありませんよね。
そうなると更新の必要がない永代供養など、どこかで供養のしかたを替える必要があります。
人間と同じですが、供養というのは「その場だけではない問題」が絡んでくるということを忘れてはいけません。
記入例です。
最初はこんな感じからはじめてみては。
決まっていない、決められていないことを無理に埋めることはありません。
「これに決めた」ということから、少しずつ書いていく形でいいと思います。
このページに書き込む中身についての思案が長ければ長いほど、
慌てることなく、そして悔いなく、愛猫の旅立ちの時を迎えることができるはずです。
いろんな考え方、そして疑問も湧くでしょう。その反面、あなた自身の知識も蓄えられるはずです。
愛猫が複数頭いるのであれば、後輩の愛猫のために役立てることができますし、この件で悩んでおられる友人や知人がいれば、そのアドバイスにもぜひ活用していただきたいものです。
「なんで今から考えなきゃいけないのよ」
冷静に考えることができるのは、今だからです。
「その時が来てからやればいいことだ」
その時が来たら、やることいっぱいありますよ。
キャパを超えたら妥協しなきゃいけなくなりますよ。
その妥協が悔いにつながったら、どうします?
「縁起でもない!」
縁起って何ですか? 愛猫はあなたの都合で生きているんじゃない。
だから、必ず訪れる現実から、逃げないでください。
生き物の死というのは、避けて通ることができない現実です。
近づかないように、考えないように、と思っても、必ず目の前にやってきます。
逃げようとすればするほど、あなた自身の気持ちの整理がつきにくくなります。
真正面からぶつかることの大切さ。
現実を知り、事実を頭に入れ、事前に対処を考える材料にすることの大切さ。
このテーマは次の項目も続きます。
※次回へつづく
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