2012.11.30 00:10

 インターネット動画サイト「ニコニコ動画」での野田佳彦首相(民主党代表)と自民党の安倍晋三総裁の主なやりとりは次の通り。

 【環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)】

 首相「アジア太平洋地域は間違いなくこれからの世界の成長エンジンになる。日本も貿易、投資のルールづくりに主体的に参加すべきだ。TPP、日中韓FTA(自由貿易協定)、ASEAN(東南アジア諸国連合)も含んだRCEP(東アジア地域包括的経済連携)の同時並行で進めていきたい。国益を守り、守るべき農業、食の安全、国民皆保険を守りながら、最終的には協議の結果、政府が判断する」

 安倍氏「われわれは聖域なき関税撤廃を前提条件とする限り参加には反対。聖域なき関税撤廃を突破する外交力を持っているか。そもそも民主党は菅直人前首相がダボス会議で『開国する』と交渉を開始した。開国していなくても、開国をしていると言ってのける交渉力があるべきだ」

 首相「交渉力がないからダメだというが、持ったら進めるのか。アクセルを踏むのか、ブレーキを踏むのか分からない議論だ」

 【消費税増税】

 安倍氏「経済の状況が悪い状況、いわばデフレが進行している中では消費税は上げない。われわれはデフレ脱却のため、日銀の伝統的な方法ではない新たな次元の対策を進めていく。経済成長、そして無駄遣いをなくすことが大切だ」

  首相「どなたでも社会保障サービス、年金、医療、介護、子育てを受けざるを得ない。それはタダではなく、負担がある。みんなで等しく分かちあうのが消費税。安定財源を確保することで将来の年金、社会保障を安心なものにし、子育てを応援する。低所得者者対策もやっていくことが必要だと考えている」

 首相「マニフェストには(消費税増税は)書いていなかったが、待ったなしの状況に来ていると思い判断した。こういう形(衆院選)で国民に信を問うという選択をさせてもらった」


“来場者”は140万人


 【原発問題】

 安倍氏「自民党も安全神話の中にあったのは深刻に反省している。なぜ事故が起きたのか徹底的に調査すべきだ。原子力規制委員会で判断し、3年以内に動かすかどうか全て決めていく。集中的に代替エネルギーに投資をしていく」

 首相「新規に稼働させるかどうかは安全性の基準、チェックが必要。規制委員会の判断がある。『2030年代ゼロ』をブレずに目指していく。柔軟に核燃料サイクルの問題なども含めて見直しながら着実に前に進めていく」

 【まとめ発言】

 安倍氏「この選挙は何をやるかを語ることも大切だが、何ができるかを有権者の皆さんに判断していただきたい」

  首相「議論されなかった2点を申し上げたい。東日本大震災の復興を加速し、生活再建のメドをつけたい。社会保障国民会議で特に議論の不十分だったことの結論を得たい」

(msn産経ニュース)