朝鮮学校無償化「白紙に戻る方が誠実」 田中文科相、在任中の判断見送り示唆
2012.11.16 11:59

 田中真紀子文部科学相は16日、閣議後の記者会見で、朝鮮学校への高校無償化適用について「白紙に戻る方が誠実ではないかと思う」と述べ、適用の可否判断を見送る方針を示唆した。

 無償化適用については、判断手続きが実質的にストップしていたが、田中文科相は今年10月の就任後、「そろそろ政治的な判断を、この内閣がする時期に来ている」と前向きな姿勢を示していた。しかし、解散・総選挙で、在任中の判断は困難となったとみられる。

 田中文科相は会見で「国会で実質的な議論をしていないと思う。残念ながら討論もしてない段階なので」「メールや投書などで賛成、反対のアクションがあるが、逆に白紙だなという感じがしている」などと述べた。

 朝鮮学校の無償化適用をめぐっては、反日教育などの教育内容を問わずに可否判断が行われることなどについて批判が続出。

 文科省の専門家会議は平成22年8月、審査手続きを開始したが、同年11月の北朝鮮による韓国砲撃で審査が凍結。昨年8月に再開が指示されたが、自民党などの反発が強いことなどから、手続きは事実上止まっていた。