11/14号
2012年11月14日 (m3ポイントとは)

 ここに来て、医療事故の調査を行う第三者機関をめぐる議論が活発化していることを踏まえ、m3.com意識調査で、「“医療事故調”は必要?不要?」をお聞きしました。

 厚生労働省は2011年8月に、医療事故に関する無過失補償の検討を開始。その過程で、医療事故の原因分析と再発防止については別途掘り下げて検討する必要性から、2012年2月に関連の検討部会を設置。これら厚労省関係の一連の議論について、「詳しい内容まで知っている」と「概要のみ知っている」の合計は、医師会員の42%、医師以外の会員の48%でした

 これに対し、学会、医療関連団体などの支援下で運営する、日本医療安全調査機構の企画部会が10月中旬に公表した案については、「詳しい内容を知っている」と「概要のみ知っている」の合計は、医師会員21%、医師以外の会員22%にとどまり、認知度は高くはありません(Q1)。日本医師会の案はさらに低く、「詳しい内容を知っている」と「概要のみ知っている」の合計は、医師会員15%、医師以外の会員17%(Q2)。日医は、日医案を各都道府県と郡市区の医師会に送付し、9月から10月にかけて意見を聞いていますが、各医師会執行部以外の一般の医師会員の意見を吸い上げたとは言い難い状況です。

 医療事故調査を行う第三者機関以前の問題として、院内での事故調査の重要性は誰もが認めるところ。「自院で事故調査を行える体制にある?」との質問には、病院勤務の医師会員の場合、「すべて調査が可能」は29%、「一部の専門的な調査以外は可能」は37%で計7割近くを占めましたが、「自院での調査は難しい」も32%(Q4)。中小病院などへの調査支援体制が必要と言えます。

 では、事故調査を行う第三者機関はどんな機能を担うべきか。それは第三者機関への「届出対象」と大きく関係します。医師会員(40%)、医師以外の会員(41%)ともに、最も多かったのは、「第三者機関に相談、調査依頼する場合のみ届出」でした(Q5)。「届出対象を規定し、該当する全事例を届出」する体制を支持したのは、医師会員18%、医師以外の会員28%にとどまります。また、届出者については、医療機関と家族・遺族の両方とすべきという意見が最も多いという結果でした(Q6)。

 今週も“医療事故調”についてお聞きします。