レポート
支払基金データ、外来の頻回受診、長期入院等が要因

2012年6月26日 橋本佳子(m3.com編集長)


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 支払基金は6月25日の定例記者会見で、2011年度(2011年4月から2012年3月診療分)の診療報酬の確定状況を公表、生活保護の1件当たりのレセプト点数は、医療保険に比べて3倍弱高いことが明らかになった(資料は、支払基金のホームページPDF:51KBに掲載)。外来での頻回受診、入院日数の長さのほか、外来に対する入院の割合が高いことが理由だ。最近、生活保護受給者の医療費が問題視され、大阪市では生活保護受給者の受診先を制限する動きなどがあるが、改めてその医療費の高さが示された格好だ。

 医科、歯科、調剤を合わせたレセプト1件当たりの平均点数は、医療保険の1374点に対し、生活保護は3918点で2.9倍。

 その内訳を見ると、特に医科入院外で医療保険と生活保護の開きが大きい。医科入院外の1件当たりの点数は、医療保険1044点に対し、生活保護は1753点で1.7倍になっている。1件当たりの日数は、医療保険1.52日、生活保護2.35日で1.5倍、生活保護の頻回受診が目立つ。1日当たりの点数は、医療保険688点、生活保護745点で1.1倍。 

 一方、医科入院の1件当たりの点数は、医療保険4万5144点、生活保護4万7921点で1.1倍。1日当たりの点数は、医療保険は4509点で、生活保護の2294点よりも高いが、1日当たりの日数が、医療保険10.01日に対し、生活保護は20.89日で2.1倍長いことが、医科入院の1件当たりの点数の高さにつながっている。

 さらに、レセプト件数の医科入院と医科入院外の比率を見ると、医療保険では、医科入院外は医科入院の65.3倍(入院外43,499万件、入院666万件)と多いが、生活保護では11.1倍(入院外2206万件、入院198万件)にとどまり、入院の割合が高い。