共同通信社 6月11日(月) 配信


 社会保障と税の一体改革のうち社会保障分野に関する民主、自民、公明3党の2回目の修正協議が10日夜、行われた。公明党は、最低保障年金創設を柱とする新年金制度導入、後期高齢者医療制度廃止の関連法案提出を決めた閣議決定の取り下げを要求。自民党も新年金法案取り下げに同調したが、民主党は「非常に困難」と反論し協議は平行線に終わった。11日夕に3回目の協議を開く。

 公明党は、閣議決定を撤回しないまま「社会保障制度改革国民会議」に議論を棚上げすることに反対。その上で「将来の年金改革、後期医療制度の在り方について与野党が協議する場として国民会議を利用してはどうか」と提起した。

 最低保障年金をめぐる議論の国民会議への先送りで歩み寄っている民主、自民両党に公明党が異論を唱えた格好。修正協議は公明党の動向が鍵を握る展開になりそうだ。

 民主党の前原誠司政調会長は10日のNHK番組で、新年金制度を国民会議で議論することに「賛成だ」と明言。一方、公明党の斉藤鉄夫幹事長代行はフジテレビ番組で「(民主党が)関連法案を『出さない』と言わない状況で(国民会議の)議論に入るのは間違っている」と指摘した。

 同じ番組で民主党の長妻昭元厚生労働相は「国会議員が入った方がいい」として与野党の協議会が望ましいとの見解を表明。自民党幹部は10日、有識者会議にこだわらない考えを示した。

 自民党の林芳正政調会長代理は、国会審議中の年金機能強化法案と新子育て施策関連法案は修正合意できるとの認識を示した。政府、民主党内では、年金法案の柱である低所得者への年金加算について公明党が保険料の納付期間に応じて決まる年金額に25%を上乗せする案を提起したのを踏まえ、加算率を数%下げる妥協案が浮上している。