共同通信社 5月17日(木) 配信


 若い女性で増えている子宮頸(けい)がんなど、子ども向けの3ワクチンについて、厚生労働省が2013年度から、原則無料で受けられる定期予防接種の対象とする方向で調整をしていることが17日分かった。

 日本は海外と比べて定期接種のワクチンの種類が少ないと専門家から指摘されてきた。中でも3ワクチンは10年度半ばから本年度末まで時限的に自治体と国が費用を助成し、国民に浸透してきている。厚労省は、13年度以降も継続的な仕組みが必要と判断している。

 予防接種を実施する市区町村の財源の確保などで課題が残るが、今国会に改正予防接種法案の提出を目指す。23日に開かれる厚労省予防接種部会で方針をとりまとめる。

 3ワクチンは、子宮頸がん予防のほか、細菌性髄膜炎を引き起こす小児用肺炎球菌とインフルエンザ菌b型(ヒブ)。現行措置では、子宮頸がんは基本的には中学1年から高校1年の女子、ヒブと肺炎球菌は0~4歳児を対象としている。

 厚労省は、世界保健機関(WHO)が推奨している水痘、おたふくかぜ、B型肝炎、成人用肺炎球菌、ロタウイルスのワクチンの扱いも順次検討する。

 予防接種部会が昨年夏から定期接種化を視野に検討を進めていた。また民主党の厚生労働部門会議も、3ワクチンの早期定期接種化を求める提言をまとめている。

※定期予防接種

 希望する人が費用を自ら負担して受ける任意接種ではなく、予防接種法に基づき各市町村など自治体が実施主体となり、公費助成で行われる予防接種。ジフテリアと百日ぜき、ポリオ(小児まひ)、はしか・風疹、日本脳炎、破傷風、結核が含まれる「1類疾病」と、高齢者の季節性インフルエンザを対象にした「2類疾病」がある。1類疾病は接種を受けるよう、努力義務が課されている。