~超党派議連が法案~
共同通信社 3月23日(金) 配信


 民主、自民、公明など超党派の国会議員でつくる「尊厳死法制化を考える議員連盟」(会長・増子輝彦民主党参院議員)は22日、がんなどで終末期にある患者本人が「尊厳死」を望む場合、2人以上の医師が判断すれば、栄養・水分補給などの延命措置をとらなくても医師は免責されるとする法案のたたき台をまとめ、公表した。

 議連はさらに議論を進め、今国会に法案を提出したい考えだが、各党には生命倫理上、反対の立場を取る議員も多く、提出や成立の見通しは不透明だ。

 法案は「終末期の医療における患者の意思の尊重に関する法律案」(仮称)。終末期を「行い得る全ての適切な治療を受けても回復の可能性がなく、死期が間近であると判定された状態」と定義した。

 その上で(1)患者本人が健康で正常な判断ができる間に、延命を望まないことを書面にしている(2)主治医を含む2人以上の医師が判断する-などの条件を満たした場合、新たな延命措置を開始しないことができると明記。医師は刑事、民事、行政上のいずれの責任も問われない、としている。

 ただし、既に行われている延命措置を中止することは法案の対象外。患者本人の意思が不明な場合も除外した。

 終末期医療をめぐっては厚生労働省が2007年、「患者本人による決定を基本に進めることが最も重要な原則」などとする指針を策定。しかし延命措置をしなくてよい基準や、医師の免責基準などは示していない。

 22日の議連総会には、尊厳死の法制化に反対する障害者団体や患者団体も参加し「社会的議論が尽くされていない」などと述べた。メンバーの国会議員からは賛成意見の一方で「法案には終末期の定義などあいまいな点があり、国会提出は時期尚早だ」との声も出た。