一般医療ニュース
2011年5月16日 提供:共同通信社

 【ワシントン共同】米政府は13日、医療保険と公的年金の基金に関する年次報告書を発表、景気回復の遅れによる税収の低迷や高齢化に伴う医療費の膨張で、現行の高齢者医療保険(メディケア)制度は、従来の試算より5年早い13年後の2024年に資金が枯渇するとの見通しを示した。

 公的年金についても1年早い36年に枯渇すると予測。オバマ政権と野党共和党は、医療費を含む歳出の大幅削減をめぐり政治的な駆け引きを続けており、協議の行方に影響を及ぼしそうだ。

 記者会見したガイトナー米財務長官は「改革が遅れれば一段と大きく困難な調整が必要になる」とし、医療保険と公的年金の抜本改革を急ぐべきだと強調した。

 報告書は、ベビーブーマー世代の大量退職や出生率の低下で社会の高齢化が進み、医療と年金のコスト増を招いていると指摘。「現在の資金計画は持続可能でない」と制度破綻を警告した。

 オバマ政権は昨年、米国民に保険加入を原則義務付ける医療保険改革法を成立させた。制度撤廃を要求する共和党の主張通り保険収入が伸び悩み、財政支出が拡大すれば、高齢者医療や年金の資金繰りは一段と困難になる可能性がある。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2011/05/16/136558/?portalId=mailmag&mm=MD110516_XXX&scd=0000336193