世論調査会社ソーシャル・ウエザー・ステーションズが9月2日から5日にかけて実施した調査で、7月から9月にかけ親族などから金銭的援助を受けた世帯が全体の38%(700万世帯)に上ったそうです。

 
内容を見てみますと、回答世帯の内、62%は援助を受けていないと答えたが、24%の世帯は親類から、7%の世帯が友人から、そして5%が政府から、4%が他の個人から援助を受けたとしているそうで、その他、個人企業と宗教団体からが2%、NGOからが1%となっています。


      


2001年9月から2006年6月は12%~37%という数字が出ている事から、ここ数年の物価上昇は庶民にとってかなり苦しい状態になっていると思われます。地域別ではマニラ首都圏が51%、首都圏以外のルソンが42%、ビサヤが35%、ミンダナオが27%となっています。
 
現地NGOの濱野さんのブログにもある様に「フィリピンがこうなっている原因は、まず、農業政策が失敗して、食料の自給率が下がっている中で、更に追い討ちをかけるように、人口増加に歯止めがかからない事がその理由のひとつ。そして、フィリピンの産業構造が、アメリカ型の自由主義と言いながら、独占禁止法が存在しない為"オンリーワン=ナンバーワン"になってしまい、食料品を含む物価は、大手小売業・卸売業の意のままに常に高目で推移して居る事が挙げられる」という事で、歴史的にみても大土地所有による政治支配につながり、財政赤字、インフレ、汚職などといった問題が今も自由市場や民主主義にとって大きな障害になっています。


       


今年9月3日に発表の主要労働市場指標によると、フィリピンの労働生産性は労働者1人当たりの生産額で7,271ドル。これはシンガポールの 4万7,975ドル、マレーシアの2万2,112ドル、タイの1万3,915ドル、インドネシアの9,022ドルより低く、東南アジア諸国の中で最低水準なのです。なのにフィリピンは政府算出による人口が8,400万人で、世界でもっとも急速に人口が増えている国の1つ。


逆に、この国を支配する人々からすればスペイン統治時代から築き上げ、カトリックをも操作して来た社会構造なのですから簡単に変わるものではありませんので大きな改革は難しいでしょう。
 
                  

しかし、この様な事実を、その国に生まれ育った大多数の庶民の人達が自ら気づいて、そして考えて欲しいと思います。その「考えるチカラをつける教育」こそが、モノやお金で支援するよりも、この国で貧困に苦しむ庶民と言われる人々にとって必要な事ではないでしょうか。