1日の終わりに哲学で多様性を深めるひと時。
令和哲学者Noh先生とチームで開催。
「トランスジェンダーの私が悟るまで」の著者、荒牧明楽(あっきー)さんと愉快な仲間達で進行。
昨日は「多様性の本質〜諦めからはじめるシン時代〜」3日目でした。
3月9日、サンキューの日ということで、感謝していることのシェアからスタート。
昨日はジル・ドゥルーズを深めました。
第二次世界大戦前後に生まれたドゥルーズ。
ファシズムの台頭から、生きる道を自分で切り開くあり方を求める実存主義。
人間の社会的、文化的諸事象を可能ならしめている基底的な構造を研究しようとする構造主義。
その構造主義を批判的に継承し、西洋の形而上学批判に及んだ
ポスト構造主義へと発展した中で生き、ジャック・デリダなどとともに、ポスト構造主義の時代を代表する哲学者とされています。
ドゥルーズは、同一性を否定し、差異の反復のみがあると説きました。
例えば、男と女は髪が長い短いなどの見た目の違いだけでなく、細胞や原子レベルで、精密に観察した時には、一秒前の自分と一秒後の自分や存在は違います。
私たちが同一性とみなしているのは人間のフィルターがかかっているからで、そのフィルターを外した時には違いの反復があるのだとのこと。
「ドゥルーズがもたらしてくれたものと、その限界とは」というテーマでの出演者の方々のディスカッションを通して感じたことは、多様性の解放、力動的な宇宙観をもたらしてくれたという素晴らしさを感じました。世界大戦を経て、自分や自分たちの正義を振りかざし、衝突を繰り返すのではなく、違うのが当たり前、もっと1人1人が主体的に生きようというメッセージもあるのかもしれないと思いました。
その反面、みんな違ってみんないいのであれば、どのように秩序をつくっていけばいいのか。
自分の中にも、いろいろな自分がいていいのだと安心感は得られるかもしれないが、一貫性を持つにはどうしたらいいのかなどの疑問も浮かび上がってきました。
自分の体と心のギャップでアイデンティティが分からず苦しんでいたが、トランスジェンダーという決めつけによって楽になった。しかし、決めつけの中でも、縛りがあり、苦しくなって、また問題が起きる。
違っても、同じでも限界だったという、あっきーさんのコメントが心に響きました。
日に日に深まる令和哲学カフェ、今日はどんな展開になるのか楽しみです。
川名哲人