三国 三千子 著

 

いかれころとは、河内弁で「踏んだり蹴ったり」という意味とか

今や関西弁(ざっくり過ぎ?)は全国区

しかし、この河内弁、読んでいても、なかなかリズムがつかめない

この薄っぺらい本に、少々難儀した

 

この本は、4歳の菜々子ちゃんが話し手

昭和58年の風景

幼児の目から見た自分の家族や、おじいちゃんおばあちゃん、どこそこのおっちゃん、おばちゃんのことが描かれる

因習にがんじがらめの田舎の一族郎党の集まり、田植えや結納などのイベントを通して、どこか暗い居心地の悪い状況が読み取れる

本家と分家、家の体面、長女に婿養子、ヒステリックな姉と病弱な妹の難しい関係

 

幼児ながらも、大人の話すことは、ある程度耳に入るし、なんとなくだが理解もする

大人たちは、その場にいない人のうわさ話や悪口をひそひそと

菜々子ちゃんは、4歳ながら、アカ、セイシン、カイホーなど、言ってはいけないものとして、うっすらと理解

 

私も、幼い頃、本家での親戚の集まりほど、居心地の悪い場所は無かったと思う

なじみの薄い叔父や叔母(伯父や伯母)、いとこたちと、過ごす時間がいやでいやでたまらなかったなぁ


古家の湿り気と黴臭さを感じるような、ザ・昭和な物語だった 笑