さて、妻が手術方法について悩んでいた点ですが、全摘といって、おっぱいを全部取ってしまうことは、ガンの大きさから最初から決まっていました。
では、どこで悩んでいたのか?
乳首を残すか否か、です。
おっぱいを全部切り取ってしまう方が手術方法としては簡単だし、取り残しもありません。
ただ、スパッとおっぱいを切り落とすと、おっぱいの再建の時に、乳首も作らなければならないのです。
妻がこだわっていたのは
「ガンはおっぱいの内側にあるのだから、皮と乳首は残したい」
という点でした。
おっぱいをぶどうのようなものと考えると、実=ガンの部分だけ取って、ぶどうの皮の部分は残し、中にシリコンとかをつめれば、極力形を変えずにおっぱいを残せる、という考えの治療法です。
難易度としては、かなり高いと思いました。
だからこそあちこちまわって、やってくれる先生がいる病院を探していたのです。
私はおっぱいの形や乳首にこだわるより、再発の可能性を少しでも下げられるのなら、スパッと切った方がいいと言ったのですが、乳がんの温存手術(なるべく小さく切って、おっぱいを残す方法)がアレコレ研究されているのをみると、やはりおっぱいは女性にとって大事なものなのでしょう。
水中の妻。新婚旅行にて。