医者に相談する時が来ていると先延ばしにして来たが限界か……
昨日まで迷って、今朝の気分にほっとする。微熱も取れた。
何か原因だったか分からないまま、半月ほどの時間が流れて、どうやら魔物に打ち勝ったようだ。
熱っぽくて身体が怠る重く、気力なく直ぐ横になる日が続いたが、
今日はすっきりだ。
近くの寺の垣根は木犀の木だ。心地よい香りはむせかえるほどに香りたち、季節を知らせる。
今年は、秋の知らせが届かない。
「如何した、私が怠惰に過ごしている間に咲いてしまったか」
出掛けて見ました。
そこにも異常気象の影響でしょうか? 木犀は咲かなかった。花の姿も残り香の一つも有りませんでした。
この通りを利用するようになった頃は背丈ほどの雑草の茂った土塀でした。
その草叢の刈取られた場所に、猫が何匹も集まっていた。
猫が苦手だったので「今日は彼らに会いませんように」と 願をかけて脇目をしないで早足で歩く自身を笑ったものでした。
木犀が植えられ大きくなって剪定され今の形になって行った時。
「こんなに切り取られても、よく香ってくれてありがとう」と思った。
枯れてしまっている木も有る。異常気象の所為ばかりではない。木々が育つ環境は年月の流れの中で厳しく変化して行く。
あの通りの木犀は来年咲いてくれるか。彼の木も年老いたか?
微熱は得体の知れないまま消えて行った。先の方が可成り短くなった。日々心の準備を怠りなく生きようと思う。


