退去立会いの日
私は次男と自宅からアパートへ、長男は新居からアパートへやって来ました。
ピンポーンとやって来たのは意外にも50過ぎの夫婦のような2人組、管理会社から委託されて来た立会い業者です、と名乗りました。
女性は大きな手提げ袋を2つ下げ、男性は脚立に腰袋といった職人風です。
私はすぐに宅建士証を出して、名前を名乗りました。男性が「あー宅建士さんですか、じゃあ話が早いですね」と一言。
2人はすぐに目立つ壁紙のキズについて
女性「これは費用かかりますねぇ」
長男「あ、それはそうですね」
私 「まぁでもキズのある1枚の負担ですよね?」
男性「いや、この壁一面全部張り替えになりますね」
私 「は?そんな事はないですよ」
男性「いや、管理会社さんの方の方針なんで、そうなんですよ」
私「そんなの関係ないですよ、キズのあるところだけしか支払いませんよ」
女性「分かりました。そしたらこの壁一面全部で10㎡くらいだから、だいたい3分の1だから3.3㎡の負担ですね」
長男「いえ、この切れ目ありますよね?この幅×高さなので2.2㎡ですよ」
女性「…そうですか」
私「3年住んだので更にその半分の負担ですから」
女性「えー?!この半分ってそんな!」
長男「あの、減価償却の意味知ってます?」
女性「分かってます、分かってますけど、この半分って!」
ここでカチン!と来てしまった私。思わず
「当たり前じゃないですか!ウチからいくら取ろうとしてるんですか?恐ろしい!」と強い口調で言ってしまいました。
すると今度は女性がカチンと来たようで
「そんな言い方しなくてもいいじゃないですか!何なんですか?いくら宅建士だからってそんな上からモノを言わないでくださいよ!私達はお客様の味方なんですよ?」と。
減価償却分を無視しようとしてた人がお客の味方?100パーセント敵ですよ。ですが一応すぐに謝りました。
男性にも促され、減価償却を受け入れた女性。
次は男性、違う壁のキズについて、
「こっちは張り替えではなく補修でやります、費用は5,000円ですね」
長男「5,000円の根拠はなんですか?内訳を教えてください」
男性「…」
私「この壁も補修ではなく張り替えてください。そっちの方が全然安いじゃないですか」
男性「え、張り替えとなるとまた範囲広がりますよ、トイレの扉やキッチンにもキズがありますよ」
私「とにかく全部測って金額出してください。きちんと国土交通省のガイドラインに沿ってやってくださいね、全て録音してますので」
男性「…」
こんな感じのやりとりが50分程あり、全ての金額がでました。
壁紙の張り替え代金は
4,400円
清掃代金
44,000円
合わせて48400円となりました。
敷金から差し引かれて15,000円程が戻る事になりました。
金額に納得したので、その場でサインをしました。
私「後からまた請求来たりしないですよね?」
女性「ないです。もう連絡したくないですから」
と。
こちらも金輪際関わりたくないので、有り難いですが。
最初から最後まで1時間かかりましたが、無事に退去立会いは終わりました。
やりとりして思ったことは、今まで散々ぼったくって来たんだろうなという事。
私達も知らなかったら言われるがままに支払っていたと思います。
疲れ果てましたが、結果としては良かったです。
皆さまもくれぐれも悪徳業者には気をつけてください。