大津が本拠地の叶匠壽庵、創業の地は三井寺に近い大津の長等商店街の裏通りでした。

※自然坊たなかの近くです。

叶匠壽庵の創業は1958年、創業者芝田清次氏は大津市役所観光課職員でした。


当時の大津市に代表的な土産物がないことから一念発起して職員を退職し、自ら菓子作りを始めたとのこと。


今や叶匠壽庵の定番商品「あも」は大津の土産物どころかデパ地下の菓子売場の1番目立つ場所に陣取る人気和菓子になりました。


現在、創業の地が叶匠壽庵長等総本店です。



最近、よく訪ねる大津ですが叶匠壽庵寿長生の郷(すないのさと)はまだ訪ねてません。


2代目芝田清邦氏は菓子を原材料から育てる「農」を菓子づくりの原点と考え、大津市大石の広大な雑木林を開墾した「寿長生の郷」に本社工場を移しました。


大津市の南端、宇治田原町に近い里山にある寿長生の郷は交通不便な場所。


JR石山駅前から寿長生の郷までシャトルバスがあったので、旅の最後に立ち寄りました。

14時石山駅前発のシャトルの乗客は私一人、

年配の運転手は瀬田川沿の名所をガイドしながら寿長生の郷までバスを走らせました。


瀬田の唐橋、石山寺前の瀬田川、南郷洗堰

南郷洗堰を過ぎると川幅が狭まり瀬田川の流れが早くなります。

瀬田川から別れバスは長閑な田園を走ります。

この辺り一帯は旧大石村、忠臣蔵の大石内蔵助の父祖の地です。


旧大石村の里山に寿長生の郷があり、石山駅からシャトルバスで約30分でした。


シャトルバスを降りてまず案内所やカフェのある古民家を訪ねました。

ここで寿長生の郷の案内地図を貰いました。


長屋門の先に寿長生の郷の中心施設があります。

大ホールから古美術品が飾られた廊下を通り、

Myアイコン「鬼の空念仏」の先に、茶室や菓子売場があります。

中庭の木立の向こうが菓子工場(見学不可)


古民家の案内所で貰った地図を頼りに雑木林の小径を散策しました。

最初に訪ねたのが敷地の南の端にある里山館


秋にグランドオープンする里山館は8月下旬の土日だけの限定営業


蓬、小豆、柚子などの和菓子の素材を使った叶匠壽庵ならではの「野坐ジェラート」を日陰のテラスでいただきます。


6種類のデザートの中からチョイスしたのが「蓬餅」シングル、きな粉黒蜜かけ。

伊吹山の自家農園で収穫した蓬を餅に合わせた蓬餅の様な食感はトルコアイスに似てました。


里山館のテラスで涼んだ後は里山の木陰の小径を分け入りました。


雑木林の中に茶室風の四阿が点在してます。

障子に映る木漏れ日と爽やかな通り風、

真夏とは思えない涼感に癒されます。


里山の小径脇の水辺も涼しげです。

寿長生の郷の小径では四季の草花と出会えます。


里山の小径を登ると鹿除けゲートがあります。

麓の梅林はぐるりとフェンスで囲まれてました。

鹿除けゲートを出て小径を行くと、山頂の持国天に登る山道がありましたが、この分れ道からさらに20分ほどかかるので断念しました。


里山中腹の小径を鹿除けフェンスに沿って歩くと山のテラスがありました。

テラスから眼下に梅林が一望できます。


山のテラスから少し降ると寿長生の郷の土を使って器を焼く陶房十◯地(とわぢ)があります。

陶房十◯地の辺り一帯は約1,000本の「城州白」の梅林が広がります。

3月の寿長生の郷の白梅は圧巻でしょう。


里山館での休憩を挟んで約1時間の里山歩きを楽しんで寿長生の郷を後にしました。

寿長生の郷からシャトルバスでJR石山駅に戻り、京都駅から新幹線で横浜に向かいました。


3泊4日の真夏の京滋旅行は雷雨に会うこともなくお天気には恵まれました。


日中の猛暑は避けて、涼しい場所と美味しい店を巡る晴男の気ままな一人旅でした。