テレビ電話で参加のクリスマス | 万事塞翁がフランス

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フランス南西部に住んでもうじき30年になります。双子男女の母、フランス人夫の妻です。日常のあれこれをつぶやいています。

 
今年、子供らが生まれて初めて、家族全員が揃わないクリスマスを送りました。他の西欧諸国も多分そうだと思うけど、クリスマスは家族全員が集まる、日本で言う正月みたいなもの。
 
しかし今年は違いました。ボルドーで大学生をしている息子(23歳)が映画館でバイトをしていて、このバカンス中は繁忙期で帰って来れないことになったのです。そうか、背に腹は代えられぬ。食って行かねばならないのだから。頭では分かっていても心には寂しさが。だからでしょう、クリスマスのメニューを作るのも全くインスピレーションが湧かない。
 
その上に、土壇場になって25日の昼食会を義母の家で行うことになり、イヴのメニューと差し替えたりしててんやわんやだったのですが、何とか妥協策を見つけ準備し迎えた24日の夜。息子とはテレビ電話しようぜ、と前もって約束を取り付けていました。
 
                 デコレーションは今年は夫が担当
 
食事の準備も大方整って、夫と娘と腰を落ち着けアペリティフを飲み始めた時、よっしゃ、電話するかと番号を掛けたが出ない。むむ、どこかに出かける予定でもあってシャワー浴びてる最中か?とか言ってたら5分後にあちらからの電話が鳴った。よし、テレビ電話に切り替えたらなんと、登場したのは赤いクリスマスの三角帽を被った笑顔満面の息子。
 
電話が掛かって来たからここぞ!と帽子を被って掛け直してきたのか。私たちは意表を突かれて歓声が上がりました。だってヤツはそんなノリのいい男じゃなかったのです。どちらかと言うと斜に構えたクール系だったから。その上なんと、「オレ、クリスマスの料理用意したかんな」と言ってスマホのカメラ越しに色々紹介してくれたではないですか。
 
                   こちらは去年のクリスマス
 
 
息子君の用意した料理。まずはフォワグラのトースト(フォワグラの瓶詰は、せめてクリスマスの味をと思いイチジクのジャムと一緒に私が送ったもの)、お次はアボカドとスモークサーモンのサラダ、そして面白かったのがイカのリング揚げ!(離れて分かるコイツこれが好きだったのか、の例)。これらを作りつつ、私らに紹介してくれる訳ですよ。
 
私らは「おー!」だの「えー、いいじゃん」とか言いつつ我々の方の料理も紹介して食べていて。スマホを操作したり食べたり次の料理の準備をしたりで結構忙しかったのですが、まあ楽しかったこと。スマホのテレビ電話越しの食事って、また一味違いますね。そういやコロナの隔離中はテレビ電話での酒飲み会みたいのが流行ってましたが、こんな感じだったのかと思い、なかなかに新鮮でした。
 
                 今年も作りました、ビュッシュドノエル
 
 
 
軽く10分ぐらい話す感じかな、と思っていたのが結局2時間越えのテレビ電話ディナー(?)になっていました。楽しい時間をありがとう、息子。🤗
 
来年は家族4人揃ってのクリスマスになるといいなあ。