伊那市議会 / 平成28年 6月定例会 一般質問 | 若さんのつれづれ日記 ~前伊那市議会議員 若林敏明 オフィシャルブログ~

○議長(黒河内浩君) 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。
若林敏明議員の質問に入ります。
13番、若林敏明議員。
(13番 若林敏明君登壇)


◆13番(若林敏明君) それでは、あらかじめ通告いたしました2点につきまして、質問したいと思います。
一つは、街の緑と里の緑、二つ目は、ソーラー発電の設置トラブルについてであります。
なおソーラー発電のほうにつきましては、写真を用意しましたので、議長の許可を得て配付させていただきますので、よろしくお願いいたします。
先に、まず1、街の緑と里の緑、自然と共生を目指す伊那市では、街路樹のあり方検討委員会を設け、昨年その答申も出されております。そこで、今後どのような展開をお考えなのかお尋ねしたいと思います。
実は、伊那市の総合計画をつくる段階で、伊那市の都市部の緑化ということが一つの大きな課題でありまして、一人当たりの都市公園面積は、6.9平米ということで、なかなか全国的に見ても伊那市は都市部に緑が少ないわけです。豊かな緑が都市部にあることが快適性を高くし、街の評価が高くなるわけです。最近気になることが、まずその町中の緑が少なくて、しかも手入れが行き届かないということであります。
一つ目にお尋ねします。まず、街路樹整備につきまして、街路樹のあり方検討委員会を踏まえてですね、市長としての基本的なお考えを伺います。


○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) 伊那市街路樹検討プロジェクト委員会の調査結果、検討結果におけます3項目の基本方針があります。一つは、現在の街路樹を生かす。二つ目は、街路樹を住民とともに育てる。三つ目は、街路樹で道をブランド化するという、そんなことに基づいて管理をしていくという、そうした方針であります。
具体的な内容につきましては、担当からお話をさせていただきたいと思います。街路樹につきましては、森の木と違いまして、一定のルールをもった範囲で管理をしていく必要がありまして、費用もかかります。そのための財源の確保も重要でありますし、長く管理をして継続をして、周辺住民の皆さん、それから団体とか会社企業の皆さん、そうした皆さんにも負担なく協働で街路樹を管理していくためのシステムの構築というものが必要であるという考えであります。


○議長(黒河内浩君) 山崎建設部長。


◎建設部長(山崎大行君) ただいま市長が申し上げました三つの基本方針の一つ目、現在の街路樹を生かすといった部分では、現在の街路樹をできるだけ維持するといった一方で、沿道の状況に応じて必要な剪定、それから伐採を行っていくとするものでございます。
二つ目の街路樹を住民とともに育てるといったところでは、住民の皆さんがかかわることによって、地域ぐるみで街路樹に対する関心が湧くように、アダプトシステムなどの協働を進めて、街路樹を育てていくシステムを導入していく。
三つ目の、街路樹で道をブランド化するといったとこにおいては、二つの雄大なアルプスを望む景観、それから街路樹の融合を図ることによって、路線のブランド化につなげていきたいということを考えているものでございます。


○議長(黒河内浩君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) その3点の三つをルールに、新しい伊那市の街路樹を整備していきたいということです。
としたならば、具体的にですね、検討委員会のせっかくの基本が出てきているわけですから、具体的なアクションプランが必要ではないかというふうに思うわけです。答申が出てから随分たつわけですから、ことしどういう具体的な、今言った従来の樹木を生かしたり、あるいは育てるという感覚ですね、住民との協働によるアダプト制度の導入とかですね、あると思うのですが、どういうアクションが、行動計画が立てられているのか、あるいは立てようとしているのか、そこら辺をお聞きしたいと思います。


○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) このアクションプラン策定の予定についてはないわけでありますが、ただ委員会の答申、決定、検討結果を踏まえまして、当面行うべきことにつきまして、伊那市街路樹管理マニュアルというのを策定をいたしました。このマニュアルに沿った管理をし、全体の街路樹に対して行っていくということであります。
街路樹管理の基本的な考え方としましては、例えば道路標識とか信号機に枝がかかるとかですね、街路灯への支障を与えているもの、こうしたものについては車両とか歩行者の安全を考えて管理を行って、剪定を行うとか、枝を落とすとかいうこと、また景観への配慮と道路利用者への安全確保から、枯れた枝、視界にとって危険となるようなものについては、早急に対応すると。また、街路樹というのは景観の一部であるという考えのもとから、道路周辺と統一感のある樹形ですね、樹形を維持をしていくという考えであります。
道路を利用する皆さんとか、沿線の住民の皆さんに対して不快感を与えないように、また危険というものを発生させないようにしていくという、基本的な考えを持っております。


○議長(黒河内浩君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) 管理マニュアルができたということですけど、そのマニュアルを使う人は一体誰ですか。


○議長(黒河内浩君) 山崎建設部長。


◎建設部長(山崎大行君) 市長、今申し上げましたように、当面の行うべき行動ということでありますので、道路を管理しております管理課の職員、あるいは街路樹管理に当たっている隣人の皆さん、管理者ということになります。


○議長(黒河内浩君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) 行政はもちろんそれを熟知していなければいけないと思うのですが、大事なことは実際に現場で、例えば街路樹を剪定する事業者、請け負っている事業者にこそ十分な理解が行き渡らないとだめだというふうに思うわけです。そういう意味で、せっかくつくった管理マニュアルですので、それが有効に使われるように、実際に仕事として請け負う事業者に対しての十分なレクチャーが必要ではないかと思うのですが、その点いかがでしょうか。


○議長(黒河内浩君) 山崎建設部長。


◎建設部長(山崎大行君) 剪定の高さでありますとか、道路側、歩道側、そういったもの、それから樹種によって高さはどんなふうに維持していきましょうかということ、細かく決めてございます。これらについてお願いをする業者の皆さんにもお渡しをしてございますので、きちんとまた情報共有を図りながら、管理をさせていただきたいと思います。


○議長(黒河内浩君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) ぜひそれを生かしてですね、それがいつごろ渡されているのかちょっと存じませんけれど、次の質問で出しますけれど、やはりきちんとそれを守っているかどうかということも、チェックもね、必要ではないかというふうに思うわけです。
次の質問にありますけれど、最近いなっせの北広場や、図書館の前などの街路樹の剪定を見ていると、非常に気の毒なものがあります。ほとんど丸坊主、しかも思いっきり強剪定しておりまして、心配していたとおりのことが起きていて、いわば畑を逆さまにしたような形になっておりまして、実生が出てくるんですけれど、弱弱しい実生が下の方に垂れていく、下を向いて育っていくというような状況があります。本当に木としても痛々しい、木を見ていても痛々しいというふうに思うわけですが、そのもしガイドラインを読んでいた上で、あのような剪定がなされているのであれば、ガイドラインは生きていないというふうに思いますし、もしそれがガイドラインを配付される前のことであれば、あのように丸坊主にされたものもどうやって再生していくかというようなですね、その再生のための研究もきちんとしなければならないかと思いますけれど、その2点につきまして御意見を伺います。


○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) このガイドラインでありますけれど、3年ほど前に伊那インター工業団地のドウダンツツジ、大分年数のたっているドウダンツツジの管理が非常にこううまくいっていないという事例がありました。また同一等比の管理も強剪定をすることによって非常に樹形が変わってしまったというようなことがあって、つくってきたわけでありますが、この図書館の市立図書館の前のケヤキにつきましては、このガイドラインの範囲を超えたものという理解をお願いをしたいと思います。
ここのケヤキでありますが、ムクドリが数年、長年営巣する場所となってしまっておりまして、夜になるとそのムクドリ、数千匹とも思えるようなムクドリが集まっては鳴いて、また、ふんも多量に下に落ちたり、またそんなような中でも枝がかなり伸びきった中で、落ち葉の始末も大変だったということで、地域の皆様からいろいろなクレームをいただきながら、何とかムクドリの対応をしてきたわけであります。ロケット花火を打ったり、煙によっていぶしたり、いろいろな手を使いながらやってまいったわけですが、どうしても対応できなかったという中で、枝を落としながら、またムクドリが集まることができないような対応をしたということで、御理解をいただきたいと思います。
ただ、今時点はこうしたことでいいわけでしょうけれども、あと何十年たったときに、あのケヤキをどうするのかということ。また、中が空洞になっている場合については、倒木の危険もありますので、そうすると市民の皆さんの安全を確保するためにどうしたらいいかということも、当然出てくるわけであります。非常に難しい選択の中で、今対応しているということを御理解いただきたいと。
それからいなっせの前の広場でありますが、これはいなっせ管理組合の発注によりまして3年に一度、3年ごとに対応をしているということであります。


○議長(黒河内浩君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) ムクドリの被害が大変だということ、それから落ち葉が大変だということはよく知っております。苦情も聞きましたし、また実際、私も通り町にいる関係で、自分たちのところの木にですね、ムクドリが来るときには、爆竹で追い返すと、追い返したムクドリが図書館に行くというような、そういう堂々めぐりを繰り返していたということもあります。
しかし、こんな例もあります。その通り町のセントラルパークにあるケヤキですけれど、きちんと剪定して細かい枝を払って、葉の数を減らすとですね、ムクドリが生息できなくなる。見事に爆竹を鳴らさずにしてですね、しかも木自体は緑を保ちながらもムクドリが来ない状況ができました。偶然かもしれませんけれど、やはり都市部の中で緑と、それから動植物と共存していくための工夫ということが必要ではないかと思うわけです。
今回なされているその図書館のところや、いなっせの北広場のこと、強剪定してしまったものに対しても、ぜひともどうやってそれを再生させていくかということも、今後配慮していただきたいと思いますが、その点いかがでしょうか。


○議長(黒河内浩君) 山崎建設部長。


◎建設部長(山崎大行君) 特別そういった問題のあります樹種、街路樹につきましては、剪定の見直しでありますとか樹種転換、それから撤去も含めて専門家、それからそういったお願いをする業者の方を交えて、検討させていただいて対応を図っていきたいと考えております。


○議長(黒河内浩君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) では、ぜひ検討委員会というか検討をする組織をつくってですね、あるいは機会をつくっていただけたらと思います。
4番目は、今度は一方の里山ですね。中山間地における緑についてであります。
特に市道沿いの木々が非常に茂ってきて、道路上に覆いかぶさり、見通しが悪くなったり凍結しやすくなったりして手を焼いているケースがあります。とはいっても、個人の所有の山であったりして、なかなか手が出せないのが現状です。
20年ほど前までは、こうしたいわゆるこさ切りを住民がする場合に、そのときに使った重機分、高所作業車分の経費を補助する仕組みがありました。改めて制度化してはどうかと思います。提案したいと思いますけれど、いかがでしょうか。


○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) このこさ切りの話ですが、過去を調べてみたんですが、そうした経費の補助というものは、どうも制度としてはなかったようであります。
伊那市が管理する道路、総延長、市道だけでも200キロ以上でありますし、そうした膨大な延長に上る道路の管理を市だけでということは、なかなか難しいわけであります。予算のこともありますし、また個人の木、あるいは土地への補助というものはできないわけでありますので、この点については御理解をいただきたいと。
また個人で手がつけられない高所の枝切りなどについては、地区の協力をお願いをできればというふうに思います。


○議長(黒河内浩君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) 市道沿いののり面の剪定や、草刈りや、あるいは今言った樹木の伐採などについては、どうなんでしょうか。


○議長(黒河内浩君) 山崎建設部長。


◎建設部長(山崎大行君) 市が管理すべき用地にあるものについては、当然市が管理責任を負いますので、市が実施をいたしますが、いわゆる市道沿いという個人の所有物になってまいりますと、ただいま市長が申し上げた管理、個人の方にお願いしていく、また地域にお願いをしていくということでお願いをしたいと思います。


○議長(黒河内浩君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) そうすると、確認しますけれど、市道ののり面、市の所有地における樹木に関しては、市が責任をもって伐採するということでよろしいでしょうか。


○議長(黒河内浩君) 山崎建設部長。


◎建設部長(山崎大行君) 伐採というか、きちんとした管理を行っていくということでございます。


○議長(黒河内浩君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) ぜひそのように、要望が出ましたら、そのようにお願いします。
また、補助金につきましては、かつて20年ぐらいまえに自分は、常会長をやったときにそういう制度がありまして、高所作業車分を行政がみてくれたという体験をもとに一般質問しているわけです。
さて、次の大きな二つ目の質問をしたいと思います。
伊那市では、5年前の3.11震災原発事故を契機に、原発に依存しない新しい新エネルギーの推進に力を入れてまいりました。新エネルギー、いわゆるソフトエネルギーには小水力とかソーラーとか風力とかあるわけですが、その中でソーラー発電の開発においては、さまざまな問題が生じてきたことから、伊那市においては、伊那市の環境基本計画の見直しと合わせて、事前の事業の届け出、あるいは周辺住民に対する説明、問題が生じたときの誠実な対応などを事業者に求めるためのガイドライン、伊那市再生可能エネルギー発電設備の設置等に関するガイドラインというものを策定いたしました。
しかしながら、市当局の進言にもかかわらず、3年前の説明会を理由に一方的に工事に着工し、設置完了してしまうようなケースが出てきました。ガイドラインには罰則も法的拘束力もないのであります。
お手元に配布した写真をごらんいただきたいと思います。事例として紹介したいと思います。これがその事例です。少し解説しますと、左の上のものは、全体の像です。3年前にA、B、Cと大きく3ブロックをそれぞれ開発したいという申し出があって、一番近い住宅に近いところにつきましては、住民側から住宅に隣接するところということで強い反対がありまして、業者側も設置を断念したという経過があります。
新聞記事にはこのように書いてあります。これは、2013年7月27日付の新聞ですけれど、建設予定地のうち住宅地に隣接する区画約2,600平米に、ソーラーパネルを設置しない方針を固めた。25日の夜の住民説明会で明らかにした。住民では建設予定地が住宅に隣接していることを問題視し、光の反射による光害、光の害や景観を害するおそれがあるとして、事業の中止や計画変更を求めているというような内容で、見出しは「住宅隣接地に設置せず、伊那のメガソーラー計画、説明会で建設会社方針」ということが報道されておりますけれど、実は今回、12月の年の瀬だったわけですけれど、突如ここのいわゆるA地区というところに、ソーラー発電が改めて設置されていったわけです。それが右の上を見ていただければ、3年前ここは設置しないというこころに、1カ月に満たない短期間に設置されてしまいました。
さて、どんな状況があるかといいますと、左の下を見ていただきたいんですけれど、隣接する民家2軒では、西日の照り返しが非常にひどくて、反射によるいわゆる光害を発生しています。この今光っている部分は、3年前に設置した部分からの照り返しで、これにこの右下を見てもらいたいんですが、改めてその手前にある白い部分、住宅にさらに近づいたところにまた同じように大きくソーラーパネルが設置されてしまいました。で、実際にここに行ってみますと、住宅の正面玄関を開けますと、玄関を開けると全体に一帯がソーラーパネルというような異様な光景があります。また、この照り返しの時間帯に、中学生のお子さんが帰ってきて、2階の自分の部屋に照り返しが入ってきて困るということをおっしゃっておりました。
このように、せっかくこういうトラブルが続くことを想定して、伊那市がガイドラインを設けたにもかかわらず、このようなトラブルが防げない、これはやはり何か問題があるんじゃないか、改善すべきことがあるのではないかというふうに思うわけです。
そこで市長に伺います。まず1点、今回問題になっているケース、西春近細ヶ谷ですが、市は事前届け出時に説明会開催を事業者に促しています。以来、事業者にはどのような対応をしたのでしょうか。また、地元の住民には届け出を知らせたのでしょうか、お伺いします。


○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) 伊那市では平成27年4月のガイドライン制定以降、対象となります施設の設置は、15件の届け出があります。いずれの場合にも設置者に対して説明会を開催をし、地元への丁寧な説明によって理解を得るよう指導をしてきているということであります。
今回のケースでも、事業計画書の提出時に地元説明会については、その範囲を地元区長とよく相談をし、仮に回覧のみでいいという場合でも、隣接する住民には直接説明するように伝えております。加えて住民からの説明会等の申し出があれば、丁寧に対応するようにお願いをしてきた、そんな経緯があります。
ガイドラインでは計画概要が明らかになった時点で、設置者は住民に対する説明会を開催をしまして、住民の理解を得る、また説明会等を実施、状況調書の提出を求めているので、改めて市から地元に対して計画書の提出があったことは伝えてはおりません。


○議長(黒河内浩君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) 丁寧に直接相談をするようにと、説明するようにという指導をしたということはわかりますけれど、その後、事業者がその丁寧な説明をしたかどうかということを確認しましたでしょうか。


○議長(黒河内浩君) 伊藤市民生活部長。


◎市民生活部長(伊藤博徳君) その後、今市長が説明をいたしましたように、説明会等の実施状況調査というものが出てまいりまして、説明会を実施したという届け出がございましたので、それによって確認をしたという状況でございます。


○議長(黒河内浩君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) 説明会の実施状況調書は、それは先ほど言った3年前の説明会を実施したという内容ではないでしょうか。今回、地元では説明会をしていません。


○議長(黒河内浩君) 伊藤市民生活部長。


◎市民生活部長(伊藤博徳君) 確かに、その説明会というのを最初の事業計画書で、説明会につきましては過去3回において、わたって説明会をしてきたという記載になっております。その後、その実施状況調書によりますと、各区に全戸へ回覧を行ったということで、先ほど市長のほうからも説明いたしましたように、受け付け時に従来から説明をしてきているということで、その部分が説明会がいいのか、回覧がいいのか、そこもよく区長さんと相談をする中で対応するようにというように伝えてきた状況から、回覧文書ということで受け付けをした状況でございます。


○議長(黒河内浩君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) しかし、実際には説明会を開いていませんし、それは回覧をしたということが説明になる、果たして十分だと言えるでしょうか。
今回のガイドラインの中の第6条には、協議というものがございまして、市及び市民の申し出に応じて、協議に応じると書いてあります。実際に、申し出に対して協議に応じない状況というのは、このまさにガイドラインに対して、業者は誠実に対応していないというふうに見られてもいたし方ないと思うのですが、いかがでしょうか。


○議長(黒河内浩君) 伊藤市民生活部長。


◎市民生活部長(伊藤博徳君) その点につきましては、議員の先ほどの説明にもありましたように、このガイドラインというものの性質上、法的な拘束力ですとか罰則等がないということで、業者の誠実な対応を求めているという状況なものでございまして、そこまでの拘束力がないという内容でございます。


○議長(黒河内浩君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) そのとおりだと思うんですね。ガイドラインの限界ということは感じるわけです。が、しかし、ここで市が求めているガイドライン、業者はこれに対して誠実に守る必要があるのではないでしょうか。義務、市民として、事業者としても、義務が生じるのではないかと私は思うわけです。それでこそこの事業は成り立つというふうに思うわけです。
したがって、二つ目の質問ですけれど、ガイドラインに限界があるにせよ、まだまだこのガイドラインを改善する余地はあるというふうに私は思うわけです。
例えば、まず12月に事業者が届け出をした時点で、速やかにこういう届け出が地元の地区で発生しているということを、住民にまず知らせるべきだというふうに思うわけです。それから、実際にそもそもが、その届け出をした時点で説明会が実施されていない状況ということは、そういう状況があって説明会を開催するように促したわけですけれど、実際に事業者はその提出をもってあたかも行政がお墨つきをくれたというような説明をしております。やはり、それは誤解を招きます。やはり、まずは十分な説明をして、先ほど述べた説明会実施状況調書を提出した時点で、全体の計画書を受け取るべきではないかと思うわけです。
などなど、このガイドラインについては、まだまだ改善する余地があるかというふうに思います。生活環境を守る立場にある行政として、改めてガイドラインの再検討を望みますがいかがでしょうか。


○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) このガイドラインでありますが、国の法律がない中で何とかしろということでつくってきたものでありまして、やはり上位法といいますか、国の法律の制定というのが、私はまず大事だというふうに思います。
今回このガイドラインの中身を見直しをせよということでありますけれど、これをしたところでやはりこう罰則規定だとか、あるいは国の法律に基づいたその対応というのが実際できにくい環境でありますので、非常にそれはガイドラインだけでの手直しというのは難しいのではないかという気がいたします。


○議長(黒河内浩君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) 全くそのとおりだと思いますよ。
しかし、それこそ第7条にあるこのガイドラインは必要に応じて見直すものとすると、わざわざうたってあります。しかも、このようにガイドラインができて、生かされていない事例があるわけです。それを少しでも改善するということが、やはり理事者としては責務としてあるのではないでしょうか。やはり、もう一度やはり少しでも再検討する機会を望みますがいかがでしょうか。


○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) 見直しをしないということで先ほど申し上げたわけではなくて、必要な範囲では見直しをするということは当然のことだと思います。


○議長(黒河内浩君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) ぜひ、そのように見直していただけたらと思います。
続いて、その延長上で今、ガイドラインのある種の限界を、市長も触れておりましたけれど、やはり先進地では条例化ということも視野に入れていくべきではないかと思います。身近なところでは飯島町も条例化して、規則を設けています。条例化についての、そういう制度的な検討について、視野に入れて検討してはどうかと思いますが、いかがでしょうか。


○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) まず、ガイドラインの不備のあるところについては見直しをするということ。それから、適正な時期に住民説明会が開催されるよう促しながら、事業者の対応状況、また他の市町村の条例化による効果の検証ということの中での次の段階に入るのではないかという考えであります。
また、国の施設認定を受けながら、上位法令であります都市計画法、あるいは森林法などにも適合した事業を条例で規制するということは、非常に難しいわけであります。県、また他の市町村とも連携をして、国における対応を求めていきたいという考えであります。


○議長(黒河内浩君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) 条例ができたからといって、すぐ全てうまく問題が解決するわけではなくて、飯島町の例をお聞きしましたけれど、やはり難しい問題はありますけれど、やはり改善していく、制度としての行政の仕組みとしてですね、改善していく努力は怠らないようにお願いしたいと思うわけです。
最後にですけれど、今回のケースで一番感じることは、ガイドラインの中にもありますような誠意であります。まず現場でアセスメントを示しながら、つまり環境にどのように影響が予想されているのか、そしてその予想、影響をどのように最小化できるのかということを示しながら、住民の理解、協力をお願いするということが、事業者の姿勢として必要だろうというふうに思うわけです。
まさに、これはガイドラインの第3条にあります設置者の責務として、紛争が生じた場合には、自己責任として誠意を持って解決するとうたってあるわけです。
とにも直さず、行政においてでも同じことではないかと思うわけです。住民の要請があれば、現地に赴き、住民の声に耳を傾ける姿勢が、問題解決の第一歩ではないでしょうか。やはり、住民と事業者の争いというだけではなくて、地域全体のいわゆるコミュニティですね、地域の、地域社会を破壊しかねない、大きなしこりを残しかねない問題です。行政としても積極的に関与してほしいというふうに思うわけですが、いかがでしょうか。


○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) 伊那市のおかれている立場というのは、再生可能エネルギーの円滑な導入、それから地域住民の皆さんの生活環境の保全であります。相互に利害関係が伴うこともあるわけでありますので、行政の介入というのは大変難しいものがあるというのは、承知をしております。
これまでも説明をしましたように、ガイドラインとか条例というものは規制を前提としたものではなくて、設置者、施設の設置者と住民の相互理解を促す、協定を促すというものであります。こうしたことからガイドラインが有効に働くためには、設置者と住民との橋渡しが重要であるわけであります。
できるだけ早い段階での情報収集に心がけながらも、住民それから設置者に対してそれぞれ丁寧に対応する、そんな立場で対応をしてまいりたいと思います。


○議長(黒河内浩君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) やはり、事業者にとっても、住民にとっても、いつまでも争いごとになることは非常に不幸なことだと思います。今、市長の述べたように、情報の収集をするためにも、まず現地に赴いて、住民の話を聞いてあげていただきたいと思いますし、そしてまた事業者との間にきちんと協議ができるように促していただきたいというふうに思います。改めて、その点住民の現場に赴いて話を聞くという点において、もう一度確認したいと思います。


○議長(黒河内浩君) 白鳥市長。


◎市長(白鳥孝君) 行政は行政の立場で、そうした融和といいますか、解決に向けての取り組みをしていきますので、ぜひ議員さんも一緒になってお願いをしたいと思います。


○議長(黒河内浩君) 若林議員。


◆13番(若林敏明君) じゃあぜひ、そういう機会をつくってですね、きちんとやっぱり話し合って解決するということではないかというふうに思います。
以上で、私の質問を終わります。


○議長(黒河内浩君) 以上で、若林議員の質問が終わりました。