己一人の幸運喜び、人の不運に巻き込まれぬよう、災い己に降りかからぬよう、己の安泰、そのみを念じる、さなる貧しき心はなくせよ。
豊かさ、優しさ養いてゆけ。
そも修行なり。心行なり。
さなる心の潤(うるお)いなくば、神のお役は果たす能(あた)わず。
空の念仏、お題目。魂入らぬ仏像ならずや。
なれば忘れず、心せよ。
人の優しさ、神の手伝い、そはゆとりある心を要す。
人への誠の同情なくば、人を神へと結ぶは適わず。
ただ慢心の、自己満足。心の入らぬ導きは、神の手伝いするは能わず。
人と神とのご縁を結ぶは、人の心を衷心(ちゅうしん)から、神に向けゆく難しき業(わざ)。
ただおざなりの慰めや、励ましのみなら、意味もなし。
さなる安易な行いならば、神も任せず、期待せず。
よくよく噛みしめ、心に刻めよ。
神の手伝い、尊きみ役。
神への真の帰依なくば、神の手伝い果たし得ず。
人の禊ぎは己の禊ぎ。
人の痛みを感ずればこそ、真の救いの有り難さ知る。
人の不幸を遠目(とおめ)に眺め、不幸を憐れむ傲慢(ごうまん)は、諌め正して謙虚になるべし。
禊ぎのなきを喜びて、神の恵みと誤るなかれ。
真の恵み、慈愛とは、困難不幸のなきにはあらず。
己の精進努力の機会を、与える神の意図を読むべし。
なれば、本日、神の慈愛と、人への優しさ教えたり。
これから後も、忘るなかれよ。人への優しさ、人の救いを。
我がことの如(ごと)、共にせよ。人の苦しみ、悲しみを。
人の痛みを理解すること。
それの欠けたる行いは、傲慢、騎(おご)りに他ならず。
神の優しさ、厳しさは、元は一つの愛なれば、人も神に近づけよ。
易(やす)き同情、憐憫(れんびん)は、人間心の慢心なり。
誠の愛を手に入れよ。
心養う行なれば、人の最も神に近き、尊き高みに近付く一歩。
低き優しさ、施(ほどこ)し要らぬ。
己に不要の物を与えど、誠の行とは高まり得ぬもの。
己の心の奥底からの、神への祈りを捧げよ、人よ。
日々に祈りて叶わぬは、まだまだ足らぬ証(あか)しならずや。
祈りも行の一つなり。
神に祈りを届けよ、人よ。
神の心に適う祈りは、必ず人をも動かしゆかん。
神への帰依は、人への帰依なり。
人への献身、そもまた同じ。
神に捧げる心のあらば、人への奉仕も虚(うつ)ろにあらず。
神に捧げる心のあらば、必ず人への救いも適わん。
人は神なり。神の子なれば。神と人とを分けるなかれよ。
人に仕える心も同じ。
神の前にて素直とならば、人への優しさ自ずと芽生えん。
さにて、本日、懇切(こんせつ)に、教えを示し、明らかにせり。
この後問いも深めてゆけよ。
御霊(みたま)の昇華を、自ら進めよ。
さにて。
~神誥記 :今日の話題社: 新装版 (2007/02)ひふみ ともこ より~
http://www4.tokai.or.jp/kmh/index.html