破壊 農家個別所得補償制度

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この農家への個別補償制度自体は、確かに先進諸国でも広く採用されており、これは各国の穀物食糧自給を大きく支えている。

 これはどのような制度かと言うと農産物価格が下落して農家が一定の所得を得られない場合は、その差額を国庫で補償するものだ。

 この余剰穀物はどうするのか? 嘗てアメリカでは日本を始めとして各国への穀物の輸出攻勢を掛けた。これが現在のアメリカの戦略物資となっている。

 だが、日本では一貫して、減反政策を採ってきた。民主党は政権獲得時の政権公約は減反廃止だった。だが、現在も継続している。そして、この減反政策に応じない農家に対しては、個別補償制度の対象外としている。だが、穀物価格は容赦なく下落している。嘗て、自民党政権は個別補償制度の対象を専業農家に限定していた。だが、民主党政権はこれを兼業農家に広く拡大した。その結果、自民党農政が促進していた耕作地を特定農家に集約、大規模化していた流れが逆流した。小規模元農家が農地の賃借を引き揚げるようになった。個別所得補償制度の適用対象となる農家が更に増加した。政府は減反や飼料穀物や他の農作物への転作を政策的に補助金で誘導しているのだが、肝心の稲作では所得補償制度が拡充している。民主党政府はこの農家個別所得制度を存続させる意向だ。FTAの導入により国内農産物は国際競争を強いられ、国内産の農産物価格も容赦なく下落を強いられる事になる。財政逼迫の中、どのっようにこの制度を維持させるのか? 何でも環境税導入の意向だそうだ。

 因みに少数に留まるのだが、この減反政策を拒否しながら、稲作を続けている農家がある。有機・無農薬栽培などにより、高価格でも自ら販路を築き、採算があう稲作経営を続けている。既に農業従事者の平均年齢は60代半ばだ。やはり専業農家への農地の集約を図るのが妥当だろう。先進諸国は概ね農業人口が数パーセント台だ。それでも農作物輸出国である例は少なくない。寧ろ農業こそ先進国の産業なのだが(叶芳和)、国内農業生産を護ると言う事と農家を護るという事は異なる。だが、意図的な混同を続けたまま、日本の農政は続いている。


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