久しぶりの投稿になってしまいました。
じつはあれから記事の一部をnoteでやろうかと色々やっていたらアメブロと同じ要領で出来なかったため、そのまま保留になってしまいました。
今年は体調を崩すor亡くなる人が非常に多く、私が関わる患者さんは脳溢血や、突然歩けなくなる等の人が多くなりました。
そんな方々を診ていて改めて思うのは歩くという行為が非常に高度な事なのだなということです。
以前私は才能と技術の違いを記事に書きましたが、まさにリハビリもこれに当てはまるなと思っています。
まずは技術や才能の話ですが、
才能のある人は初めから色々出来てしまっているため自分がなぜそれが出来ているのかわからない事が多い。
それが故に一度落ちた時、才能由来の体や感覚、意識の使い方をどうやっていたのか思い出せない、いわゆるスランプが起こります。
そのためには自分がなぜそれが出来ていたのか、才能があったのかという理由を完全に理解しておく必要があります。
それが再現性、技術と呼ばれるものです。
話をリハビリにもどしますが、一度歩く方法をなんらかの病気で忘れてしまった(脳や神経が傷つくなどする)と今までどうやって歩けていたのかすっぽり忘れてしまいます。
今まで当たり前にやっていた事ほど忘れた時どうやって出来ていたかを思い出す(回復する)ことは本人にとって困難です。
歩くというのは足だけ動かしても前に進みません。
私の患者さんには止まっていれば腿は上がるけど歩くとなると上げられないという人も多々いますが、歩行をみていると姿勢が丸く、足しか歩く時に意識できていない。
体幹による重心移動ができた上で足が前に出せなければスムーズに進むことは出来ないのです。
歩行は重心移動が7割(それ以上か?)と言っても良いくらい大事なので、足だけで歩こうとすると必ず失敗します。
ただ、流石に脳溢血のように各関節がそもそも動かせない場合は仕方ない事もあります。それは歩行の以前に色々と関節を動かすリハビリが必要になるからです。
ではどうやってその再現性を出していくかというと、
歩行なら体幹を意識すること、関節のリハビリならその部分を意識しながら動かす努力をすることです。
意識とは筋肉を収縮させることではありません。
意図的に動かしたい部分が「ある」と意識することです。
筋肉は意識するとすでに機能的になり使われているのです。
しかしこれは高度な技術者や、やってみて実感したことのある人でないと1発で理解は難しいかもしれません。
肉体操作が上手な人は体のどこを意識すれば同じ操作ができるのかわかっています。
逆に何も意識せず歩くリハビリや関節を無心で動かそうとしても筋肉はつくのですが、上達することに関しては非効率だと言えましょう。
私の患者さんにはいきなりいつも通り歩くことが出来なくなった人がいました。あらゆる検査で歩行に関わる異常はない人でした。
そして、歩行を見ると体幹の意識が全くないまま足だけ意識してを前に出して歩こうとするため、まるで初めてたった赤子のような歩行になっていたのです。
そこで私は体幹を意識して歩くようにアドバイスしました。全く体幹が使われていない。足だけで足から上を全て運ぼうしてるからふらつくんですよと伝えると最初はポカンとしていたのですが、意識を始めると1週間後には劇的に歩行が変化し、
「意識することがこれだけの感覚の変化を産むとは思わなかった」
と言っていました。その方はどこまで変化するかは未知数ですが、現在も少しずつ変わってきています。
私たち技術者やプロのアスリートたちにとっては意識の使いかたで天と地ほどの変化が出るのは常識ですが、今までその世界にいなかった人にとっては驚きの世界です。
私はリハビリの人間ではないのですが、動きを見てその人が体のどこを意識して使っているかはわかります。
自分が普段から常に身体感覚を意識して生きているからです。
この観察(望診)のおかげで施術においてもミリでも変化すればわかるようになっています。
小さな変化は患者さんはほぼわからないのでそれを伝えるのも私の仕事。
まずは姿勢もリハビリも体幹、普通の人は背中を常時意識することから始めましょう!
あると思うだけで姿勢は意外と変わりますよ!