当方での皇朝銭の鑑定方法をご紹介いたします
一番最初に 外観検査を行います
これは雰囲気を含めた直感的なものでしかないのですが、非常に重要でこの時点で疑問を感じた多くは後のデータ照合や、成分分析で多くは矛盾が出てくることが多いです
ちなみにですが、日本貨幣商協同組合の鑑定は複数名の組合員がこの目視による鑑定を行い全員が本物と判断したものに対してのみ鑑定書が発行されます
ただやはり目視のみの鑑定には限界がありますために当方ではさらにこの後以下の鑑定を行っております
貨幣の詳細サイズを計測いたしその数値を日本銀行金融研究所に保管されている貨幣データと照合
その内容は 外縁外径 外縁内径 縁幅比 内郭外径 内郭内径 孔径比 縁厚 内厚 量目 など銭本体サイズ9項目の他 文字の太さや深さなど 0,1mm以下の単位まで計測し比較検証いたします
皇朝銭の場合、品質にそれなりのバラつきがあるためにピタリ一致。。ということはありえませんが、参照データを基にどれかひとつでも許容範囲を超えた数値が認められた場合贋物、もしくは参考品として振り分けます
計測データで矛盾が認められなかったものは次にX線による簡易的な成分分析を行います
ここでも日本銀行金融研究所他、博物館や研究機関発表の計測データと照合し、矛盾がないことを確認いたします
当然、1300年近く昔に鋳造されたものと、江戸期に鋳造されたものは全く違った成分ですし、現代のものはそれぞれの金属の純度が圧倒的に高く、成分分析を行えばほぼ99%真贋の判定は可能です
これら3工程の検査により99.9%以上の確率での真贋判定を可能といたしております
そして極めつけで炭素法による年代測定です
成分を当時と同じ比率で合金を作りコンピュータを使って本物と同サイズで作ったとしてもこの年代測定を行うことで一発で贋物は見破ることが可能です
ただ1300年の昔より贋金作りは横行していたようですので上の詳細計測データとの照合をすることにより当時の贋金を見破るわけです
この鑑定方法は全国の博物館の鑑定方法であり絶対的な鑑定方法と言えるでしょう