広島の土砂災害は72名も亡くなり、住民たちは家も決まらず、また二重ローンに苦しむ人も多いという

今は、マスメディアも非常に同情的に報じている

確かに、打ちひしがれている時にこそ、優しい言葉はありがたい

ただ、いつもこの手の被災報道を見ていて思うのは、熱しやすく、冷めやすいことだ

少なくとも、次の大事件がくると、すぐに吹き飛んでしまう

私は阪神淡路の震災の時には、毎週、ボランティアで神戸に行っていた

このときは、被害規模も大きかったので、2か月近く、連日、神戸の様子が報じられた

我々、メンタルヘルスの関係者の間でも、そろそろ心のケアの問題も取り上げてもらわないとという話になっていた

PTSDというのは、トラウマ的体験のあと、1か月以上続かないとその診断を受けないことになっている

そして、多くの心の問題は、あわただしさが落ち着いてからどっと出る

しかし、3月に地下鉄サリン事件が起こると、東京のメディアは、阪神淡路のその後をほとんど無視黙殺した

そして、多くの孤独死が出た

広島もおそらく同じような目にあうだろう

東日本の震災のその後が取り上げられるのは、それがいいことではないにせよ、原発事故があったからだろう

その後の影響が、東京の人にも及ぶかもしれないから、報じ続ける(仮にそれが偏向であっても)

どんな悲劇にも正の側面と負の側面がある

広島は被爆のおかげで、早くからタダ同然で医療が受けられる体制が整ったり、検査を定期的に受けたりで、政令指定都市でいちばん平均寿命が長いそうだ

原発事故に、もし正の側面があるとしたら、震災を風化させない効果かもしれない
しばらくぶりに日経を読んでいると、ホンダがブラジル子会社に利益移転をして追徴課税を受けたことを不服として行った訴訟で、ホンダが勝訴したと出ていた

アメリカでもバーガーキングが本社をカナダに移すなど、課税回避が進んでいるが、オバマはそれに対して、対抗措置として「あらゆる手段を検討する」と言明し、この手の対抗措置を前倒しして実施する方向だそうだし、米議会も超党派で制裁を立法化する方向で動いているという

裁判所まで企業の言いなりになって、将来弁護士になった時に雇ってもらうために、大企業や大金持ちに有利な判例を出し続ける(武富士の巨額相続税脱税訴訟では、莫大な利息まで政府が払わされている)日本は異常と言えるが、赤字の中小企業の税金を増やしてまで(こうすれば赤字企業が黒字を出そうと努力するはずだというが、その努力というのは、いちばん手っ取り早いのは、従業員の給料を下げることだということがわかっているのだろうか?)、法人税を下げるなど、日本は、まったく企業の言いなりになっている

いっぽうで、アメリカはまだ、国に金がないと国が守れないという当たり前の考えがある

集団的自衛権とか憲法改正とかいいながら、その財源を用意しないというのは、国の消費の増加につながる子ども手当の財源不足より、よほどひどい話と思うが、この話をどのマスコミもしない。せいぜい、「建前」の平和主義の話だけだ

この国の人間はよほど税金を払うのが嫌なようだ

だったら、中国にでも韓国にでも、ぺこぺこと頭を下げていればいいし、アメリカに国防を頼ったほうがまだましだ

日本の場合、国防に勇ましい右翼や保守の連中が、税金を払おうとしない金持ちを非難しないどころか、その肩をもっている

反共=愛国という古い図式が続いている以上、彼らは変わることができないと思うが、金がないならないなりの国防を叫ぶほうが現実的だ

頭を下げるかどうかはともかくとして、外交なり、情報機関を使って、なるべく安く国を守るというしかないだろう

情報機関をバカにするが、日本の将来の首相候補でも、私の耳にまで、下半身スキャンダルが入ってきている。おそらく、首相になった途端に流されるだろうが、もし日本のマスコミが気づいていなくても、外国の情報機関はそれを握っているはずだ。かくして、日本の政治家が外国に操られる。逆を、日本がやれば、かなり安いコストで国防が可能なはずだ

さて、帝国主義の時代(アメリカの事実上の帝国主義を南米や中東で行った時代を含む)には、企業は、確かに植民地でえぐいことをやった

好き放題搾取をして、現地民をむしりとった

その代り儲けは本国に還流した

もちろん、そういう国の軍事力を背景とした金持ちも潤ったが、国もきちんと納税させた

戦前の日本を含めて、多くの国は金持ちにしか納税義務はなかった

ところが、今の金持ちや企業は国を平気で捨てる

そして国が企業に出て行かれないために、税金を負けると申し出て、むしろ自国民から、代わりに税をむしり取る

こんな愛国心がない企業を守るために、軍事予算を増やす(邦人保護というのはそういうことだろう)とか、警察予算を使うとかが許されていいのか?

金融機関にいたっては、ふだんは国がいらないといい、グローバル化の時代と言いながら、バブルがはじけて、救済の段には国に頼る

これでいいのか?

海外に本社を移した会社は、一切、救済しないし、国のサービスを一切受けられなくするくらいの強気が本当にほしい

ただ、企業が国の利益より、自分の利益を大切にする世の中は、安全保障的には楽である

株価も下がるし、損だから、どの国の金持ちも戦争をしたくない

テロ対策だけで十分だ

それなのに、軍備拡張というのは、中国がバカという前に、日本ももう少しコスト意識をもったらどうなのだろう

そもそも、中国と張り合うなら、軍事費が30兆円近くいる

アメリカだって頼れない

もう少し、計算して国の運営ができないものだろうか?
以前、「私だけは 本気で この親子を応援したい」とこのブログで書いた親御さんから、息子さんの作文を送ってもらった

あえて、ここには載せないが非常にこちらのほうが元気づけられるものだった

もう一つ、インテリジェンスの高い読者の方から

「下記のアンケートを見て愕然としました。
日本人のアホさにです。
http://news.jorudan.co.jp/docs/news/detail.cgi?newsid=MN20140807_3363831

年齢層は分かりませんが、きっと20-40代くらいなんでしょう。
1位の光秀はすくなくともサイコパスの信長に歯向かったということでは、
どちらかと言えば常識人、保守の人だっと思います。
どんな上司でも裏切ってはいけないという、日本人の変な道徳観のような気がします。
そのためブラック企業がのさばる気がします。
2位の信長は変革者だったので、賛否はあるので置いておくとします。
3位の綱吉は、和田先生のテレビでもやっていましたが、
あの時代に人権の感覚を持っていた優れた人のように思えます。
教科書などで批判されるということは、それだけのことをやった人なのに、
そこに書かれていることだけをきっと信じ込んでいるんでしょうね。
4位の田沼意次も同じです。
賄賂政治という一言で片付ける。
田中角栄、小沢一郎なども彼らの考えたことよりも、どの一言で思考停止。
5位の蘇我入鹿も大化の改新でやられた人。
イコール正義の制裁を下された相手と思われているんでしょうね。
何か日本人は教科書に書くと、そのままそれを信じこむ性質があるようですね。
日本人ではないですが、カンボジアのポルポトなどが私が思い浮かぶひとい悪人です。
和田先生の思う悪人を教えて下さい。」

というメッセージをいただいた

ほとんどが私と井沢元彦先生の対談本『日本史 汚名返上』(光文社)で取り上げている人なので、そちらを読んでほしいが、歴史上の人物に限らず、完全な悪人や完全な善人はいないというのが私の立場だ

あと、井沢氏が指摘したように、勝った側は負けた側の悪い面だけをプロパガンダするので、本当のところはわからないという側面がある

ポルポトにしても、確かに大虐殺の主であるから悪人であることは否定しないが、彼をその方向に向かわせた、当時のカンボジア上層部の腐敗の問題もあるかもしれない

ヒトラーにしても、経済政策は一流だった

そして、国民を豊かで幸せにしたい(その代り、ユダヤ人が犠牲になったが)という気持ちがあったのも確かなようだ

もう一つ言っておきたいのは、この手の悪人(とくにポルポトとヒトラー)は、完全な善を信じていたから、悪を退治すること、大量殺戮をやることに抵抗がなかった

逆に言うと、本人の主観では、ものすごい善人だったのかもしれない

北朝鮮が悪の国だから、その国の赤ん坊が飢え死にしているとか、人が人を食べているなんて話を喜んで報じて、この人たちに人道援助をしようという話にならない人も、思考回路は、似たようなものがあるだろう

小保方さん問題にしても、問題は日本人のスケプティシズムのなさだ

ちょっとありえないくらい画期的な発見をしたということについて誰も疑わなかったくせに、インチキが見つかると、こんどは「それがない」と決めつけて、ある可能性を全否定してしまう

20回やそこらの実験でできなかったからといって、ないと決めてかかるようなら、ほとんどの画期的な実験結果などでてこない

何万回も実験して、やっと大発見をするというのが、科学の真相だろう

私はあるのか、ないのかを知りえる立場ではない

でも、ある可能性を信じて、実験を続けることが悪いとは思えない

小保方氏とは別の刺激法で、STAPができないとも限らない

さて、雑誌の整理をしていたら、相変わらず、従軍慰安婦について、強制がなかったとか、売春だと認めろとかいう記事が目立った

売春で、ちゃんと金を払っていたら、旧日本軍がいいと言いたいのなら、くだらない、売春防止法などなくしてしまうべきだ

オランダやヨーロッパの多くの国のように売春を合法にしていれば、「私たちは売春だって、立派な仕事と考えています。強制もしていませんし、立派な仕事をあっせんしていただけで、彼女たちも、家を建てたり、豊かな暮らしをしていました」と強弁もできるだろう

でも、自国で売春を非合法にしておいたということは、売春が悪いことだと国が認めていることになる

強制はなかったと考えますが、売春をさせたのは悪いと思いますと言わざるを得ないだろう

オランダなどを除けば、日本は、売春ハウスが堂々と営業している珍しい国なのに、非合法にしている

警察が金をもらえば何でも許すと言っているのに等しい恥ずかしい賄賂国家である
(パチンコの景品交換も同じだ)

売春が合法の国でも、それをやっている場所を探すのはそんなに簡単でないのが通常なのに

だったら、素直に合法にすれば、やくざの収入源にならないで済むし、警察のモラルも上がる

また売春婦や売春業者からも、ちゃんと税金が取れる

売春がダメという建前やきれいごとを言うから、韓国につけいられる(韓国は、ギャンブルが非合法というのも建前と見抜いて日本でぼろもうけしているが)

ポルノにしても、なんでいまだに規制するのか、エビデンスがなさすぎる

劣情を刺激するからというが、ポルノを合法にしてレイプが増えた国があるのか

性欲を劣情というから、セックスレスも多く、少子化に悩んでいる側面もないのか?

そして何より、これを非合法にすることで、国内では裏ものを扱うやくざが儲けるし、海外では、日本の政治家がバックについている大AVメーカーが実質仕切っている海外の無修正版の配信業者が、莫大な税金を海外に納めている

日本が税収の足りない国だという発想がまったくない

日本人がうそつきを言われないためにも、税収を増やすためにも、やくざに儲けられないためにも、建前だけの法律を作ったり、非合法黙認をやめて、もう少し現実的な政策を取れないものだろうか?

官僚が一度決めたことを変えたがらないうえ、政治家が二世のバカばかりだから期待薄なのだろうか?

なにしろ、50年間も自動車の制限速度を変えられない国だから

法律を建前と思っているから、条約違反も平気でするのだろう

A級戦犯を裁判死でなく戦死者とみなしたければ、サンフランシスコ講和条約を破棄して、新たな諸外国との友好条約を作らないといけない

大臣クラスが法も、条約も守る気のない国だから、守れない法律を作って、非合法黙認がいつまでも続くのだろう

日本が法治国家になったり、条約を守る国になるのはいつのことだろう

ただ、首相が言えることは「私はサンフランシスコ講和条約を破って、A級戦犯を戦死者とみなして靖国に行くような人間なのですから、条約ですらない、談話などに拘束力をもつとはまったく思っていません」ということくらいだろう