非国民の金持ちに厳しいアメリカ | 和田秀樹オフィシャルブログ「テレビで言えないホントの話」
2012-05-27 08:30:54

非国民の金持ちに厳しいアメリカ

テーマ:徒然記
日本で社会的弱者が連帯しない理由について、「貧困層程、上を見ないで下を見て自分達より貧乏な人を探して、自分達はまだこの人達よりはマシと思って安心しているように感じます」(引用終わり)というメッセージをいただいた。

日本がアメリカに経済で勝てないとわかってから、もう一度追いつこうというより、北朝鮮を馬鹿にして喜んでいるうちに、韓国や中国に負け出したのとそっくりな構図だが、その通りだと思う

このメッセージの主はこう続ける。

「これからの世の中、上位1%の人間が年収3億、残りの5割が年収300万、残りの4割が年収120万と言われていますが、これも大金持ち達がわざとこのような階層社会になるように仕向けていくのでしょうか?年収300万の層の人達は、この時代には相対的には中流でいられるのかもしれません(絶対的に見たらゆとりのない貧困層だと思いますが)。この年収300万の層の人達は年収3億の人達は別世界と思い、年収120万の層の人達を見て、差別して安心するのかもしれません。年収120万の層の人達は、日々の生活苦で疲弊して諦めが蔓延し、街で見かける年収300万の層の人達に嫉妬と憎悪を向けるようになるのかもしれません。近未来でも、この5割の層と4割の層が団結することがないので、大金持ち達は安泰でいられるのかもしれません。」(引用終わり)

私の予想も似たようなものだ。貧しい者同士で足をひっぱりあい、天国にいる人間は安泰で、相続税も昔と比べてずっと安くなっているので(金持ちはまだ不満のようだし、自民党が政権をとるとさらに下げるようだ)、ずっと上の階層は上のまま。日本は中流のいない「地獄」と化すだろう。ついでにいうと、この人の書く5割と4割の相互憎悪を増幅するシステムとしてテレビが機能しているのも今回の河本問題であきらかになっている。テレビは1%の金持ちがスポンサーなのだから、彼らには嫌悪が向かないようにしている。欧米では格差が大きくなりすぎると治安が悪くなって金持ちが強盗や誘拐にあうので、そうは悪いことはできない。日本の格差社会がよけいにひどくなっても、日本の金持ちを襲うのは、むしろ外国人のギャングだろう

私だって、金持ち増税をやられるのも困る(そんなことをやられるとローンを返せなくなるほどの借金を抱えている)し、相続税の増税は嬉しくない(せっかくローンが払い終わっても子どもに継げなくなることを意味する)。でも、私有財産より、国のほうが大事なのが愛国者と信じているのと、日本が貧乏国、馬鹿国として差別されるのが嫌だから、それを叫び続けたい

今の北朝鮮や昔のフィリピンを思い出すといいが、いくら金持ちが贅沢をしていても、一般大衆が貧しい国は貧乏国の扱いを受ける。大衆が豊かであれば、ヨーロッパのようになんとなくリッチにみえるし、憧れられるし、そこの国で作られた製品は高くても売れる

あとは国民の知的レベルだ。やはり知的レベルの低い国民は外国から馬鹿にされる。中国や韓国の子どもに20年も前から学力で負けているのだから、日本人が彼らからバカ国としてバカにされる日は近い

さて、昨日のブログの続きだが、今回の河本騒動(本当はこの芸人の名前を挙げたくないが、記者会見をして誰でも知っているのでご寛恕願いたい)をみて思ったのは、おそらくは法律に触れない(詐取である可能性が現時点ではゼロでないそうだ)道義上の事件で、こんなに騒ぐのに、芸能人などの億単位の脱税で、こんなに大々的に報じられた記憶がほとんどない

年間200万にも満たない金を国に損させるわけだが、今もボス面している某落語家は1億4000万円の脱税だった。国におよそ7000万円も損をさせているのに、ほとんど報じられなかった。ちなみに、この弟に言わせると、この人もいいとこの子で、母親のほうが稼いでいるそうだ

現在、生活保護に使われている金額は年間3兆4000億円。これがさぞ多いように言われているが、GDPの約0.7%である。OECD加盟国の平均は2.4%だそうだ。

受給者の人口に占める比率はOECD加盟国の平均7.4%に対して2%に満たない。食えない人間を政府が面倒をみるという先進国なら当たり前のことをここまで罪悪視するのは、本当に恐ろしい話だ

ちなみに生活保護費の不正受給は、2010年度に約2万5千件(前年度比29%増)、総額は約129億円、10年度の生活保護費は総額3兆3300億円で、不正受給分はこの約0.4%にあたるそうだ。徹底的に調査しても、せいぜい浮く金は1000億かそこらだろう

それと比べると脱税を本気で取り締まれば8兆円くらいの金が出てくるそうだ

よその先進国より生活保護がずっと少ないのに、それがもったいないと騒ぐくせに、金持ちのやる脱税には異様に甘い

やはり何かおかしな国だ

日本は金持ちいじめをすれば、金持ちが国を出ていくという議論も堂々とまかり通り、金持ちの機嫌をとるために、金持ち増税や相続税の増税はいかんという話になり、生活保護を打ちきり、消費税を上げ、公務員を減らし、公務員の給料を減らし、要するに小さな政府にしろという議論がまかり通る

アメリカでは新しい法案が通るかどうかが注目されている

ウォールストリートジャーナル(もちろんアメリカでは金持ちの味方とされている新聞だ)によると、「シューマー、ケーシーの両議員の法案では、高所得者が税金逃れのために国籍を放棄したことが発覚した場合、国籍放棄後に米国で得た投資利益に30%のキャピタルゲイン税が課される。また、内国歳入庁(IRS)が税金逃れのために国籍を放棄したのを発見した場合、当該人物は米国への帰国を禁じられる。サベリン氏のような人々は税金逃れのために国籍を放棄したとみなされる可能性があるため、そうでないことをIRSに証明しなければならなくなるかもしれない。
 法案は少なくとも200万ドルの純資産を持つか、過去5年間の平均所得税額が14万8000ドル以上の米国人を対象としている。」(引用終わり)

私が以前のブログで書いたように、税逃れのために国を捨てるような奴は、国に帰ってこれなくするということがアメリカでは本気で議論されているのだ

日本だって、日本国に税金を払いたくないような非国民は、日本のおいしいご飯も、優雅な風景も、治安のよさも、2度と味わえないようにすればいいし、親の死に目に会えないようにすればいい

国より金の好きな奴には当然の報酬だ

アメリカの場合、冷戦に勝つために金持ちが93%もの最高税率に耐えた実績がある。日本で9条改正とか国連安保理自国の常任理事国入りしたいというパンパカ金持ちにそれだけの覚悟がある人間が一人でもいるのか? そういう奴に限って、日本人全体の豊かさを潰し、バカ息子に世襲させて、日本人の学力低下に加担し、日本が外国、とくに近隣アジア諸国にバカにされるようになっても平気でいる。内需が弱くなって、中国に頭が上がらなくなっても、平気の平左で、自国民の賃下げをしたり、中国に工場を作ったりする

ついでにいうと、この記事に出てくるサベリン氏というのは今をときめくフェースブックの共同創業者である。彼がシンガポール国籍をとって創業者利得課税を逃れたというのが、アメリカでは非国民扱いされているのある。日本ではそういう人が出ないように、金持ち増税を控えようという話になっているが、アメリカではそういう人が出ないように、こんな法律が検討されているのだ。日本だったら、こういう金持ちがむしろヒーロー扱いされるだろう

そして、もちろんこの法案のことは金持ちの味方のテレビ局などは一切伝えない。

さて、生活保護をなかなか認めないということになれば、失業危機にある一般大衆は、ますます財布のヒモが固くなるから内需が縮小する。あるいは、親が生活保護の予備軍である人たちも金を使えなくなる

そのために、本当は、BI(ベーシックインカム)を導入すべきだし、それがあれば、今回の芸人のような問題は生じなかった

苦労人の集まりだった昔の自民党は、大衆にいかに金をもたせるかに腐心したが、二世のボンボン集団となった今の自民党は、貧乏人には絶対に金を持たせないということで、庶民の財布のひもまでとじようとしている(その自民党に民主党はすりよっている)

生活保護費を遊びに使うことへの批判などもあるが、生活保護というのは最低限の文化的生活を保証するものであって、食べれればそれでいいという人間を家畜のように考えるものではない

ワーキングプアのほうが生活保護より収入が少なければBIを考えればいいのに、生活保護を減らせというのでは消費がどんどん冷え込むのは当たり前だ

ヨーロッパは、簡単に生活保護が受けられるので、企業のほうもクビが切りやすい。だから、新産業への移行が比較的スムーズにいくという利点もある

生活保護批判のような貧しい者同士の足の引っ張り合いより、今のような日本が停滞している時代こそ、生活保護の有効活用を考えるべきだ

5兆円公共事業をやっても、金持ちの土建屋に半分くらいもっていかれるが、5兆円の生活保護は、貯金が禁止されているので、全部消費に回る

さらにいうと、5兆円の公共事業と比べて、官僚や政治家に利権が生じない

だから官僚も政治家も、生活保護を含めとした給付型政策を嫌がるのだが



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