臨床心理士資格の資格更新のために、研修会を受けにこないといけない(講話も含めて、かなり面白くない。彼らは人間心理をわかっているのだろうか?)ので、金沢にいる。ちょっとサボっているとポイントが足りなくなるが、いろいろと専門医や資格をもっていると、これがかなり負担になる。昨年は内科学会の認定医の更新のためにあちこち行くことになった。

さて、通常、旅先で昼飯と言うとラーメンである。

で、金沢のホテルのコンシアージュに聞くと、岩本屋というラーメン屋がおいしいという。

タクシーで行ってみると、駐車場の大きな郊外型店舗で期待できそうもない気がした。

しかし、ラーメンを待っている間に、書いてあるものをみると、食べたものの味が薄ければ調整してくれるなどという。人の舌はみんな違うのだから、自分に合った味で食べてほしいというのだ。これは店主の経験から、自分だって、そういう不快な思いをしたからという話だ。

きわめつけは、それでも味が自分に合わない、まずければ金を返すとまで書いてあることだ。

そして最初に麺の硬さから、脂の量、そのほかまで好みが聞かれる。

これは潔い。

ラーメンは730円。とんこつ醤油に背脂が散らされていて、スープはホープ軒を上品にしたような感じだ。ややしょっぱいが私の好みに近い。

それ以上に麺の味がいい。中太の加水熟成麺とのことだが、これがけっこううまい。私は麺のうまいラーメンを評価するが、地方には意外に少ない(知らないだけかもしれないが、私の経験ではそうだ。その点北海道は、麺のうまい店が多い)。

メンマを炒めているのだがそれもうまい。

実は、私の最近のテーマは個別対応である。たとえば勉強法であれ、医療であれ、みんな同じものがあてはまるという考えが蔓延している。それで私の勉強法にしても、自分に合うようにアレンジしないで、結果がよくなかったら、被害者とか言われてしまう。

もちろん、私の勉強法が合う人、それで成績が上がる人がいるから本は出し続けるが、実際には、合わなければ別の勉強法を試していいというような本も出したい。これがなかなか出させてもらえないのがつらいが、せめてブログの読者だけでも、私の本の信者になるのでなく、上手にアレンジすることをお勧めしたいし、合わないものはほかを試してほしい。

ということで、ここのラーメンの個別対応の姿勢を非常に評価したい。

あるラーメン屋では、胡椒を入れるなとさえ言われて、自分たちの味を押し付けられた。もちろん行きたい人だけ行けばいいのだろうが、一つのラーメン屋で味の幅が広いというのはとても嬉しい。

実は、ここは福井のラーメン屋で、少しずつ北陸で店を増やしているらしい。ぜひ応援したい(と言ってもこうやってほめるくらいしかできないが)