昨日、日本企業は中国企業に買われたほうがましという話を書いたが、今の日本人の経営者が(もちろん、中小企業の経営者も含む。大企業優遇を批判したが、中小企業の経営者が正しいと言った覚えはない)、どんどん利益偏重主義で、ブランドイメージを保つことを考えない中、中国のほうがまだ考えてくれるのではないかという期待だった。

すると、アメリカのほうがずっと日本にひどいことをしてきたというメッセージもいただいた。

アメリカが過去、日本を助けてくれたと見るか、ひどいことをし続けてきたと見るかは評価の分かれるところだが、日本人は日本企業がアメリカ企業に乗っ取られることにはあまり抵抗がないが、中国や韓国の企業に乗っ取られることにはかなり心理的抵抗があるようだ。こういうときに差別感情が出てくるのだろう。

しかし、アメリカは日本のブランドを大事にしようという腹はまったくないから、合理化をして利益をだすことばかりを追求するだろうし、アメリカの会社が買うことで、グローバル化と称して工場を日本から人件費の安い国に移すくらいのことは平気でやるだろう。

さて、事業仕分けだの特殊法人だの、民主党の唯一の手柄はエリートたたきのようになっているが、確かに高級官僚も拝金論に流れてろくなことはしていないが、この国が法治国家であるなら、中級、下級の役人の天下りの問題はもっとまじめに考えてほしい。

たとえば、警察官は定年後、パチンコ会社やソープランドを経営する会社に雇われることが多いそうだが、これで捜査に手心が加えられるとすれば、もはや警察が犯罪行為に手を貸しているのではないかと言われても仕方がない。

もっと天下り先が減ってきたら、暴力団が経営する、○○興業とかいう会社に警察官が天下りをするようになるのではと疑いたくなる。

税務署にしてもそうだ。

税務署に長く勤めていたら、自動的に試験を受けなくても税理士になれるそうだが(事実と違っていたら教えてほしい)、それだけでも十分不平等なのに、税務署のOBがやっている税理士事務所に税理士をお願いすると、税務調査(まじめにやっていても5年に一度くる)の際に、手心が加えてもらえるそうだし、経費の認め方も甘くなって、税金を大して納めなくて済むようになるらしい。

これが事実だったらひどい話だ。

我々の会社はもちろん、国税のOBの税理士にはお願いしていないが、そういうアドバイスをしてくれる人が何人もいるところをみたら、火のないところに煙が立たないのではないか?

一度、第三者機関でも使って実態調査をやってほしいものだ。

実際、国税のOBの税理士がからんだ巨額脱税事件は少なくない。うちに頼めば大丈夫などと、事実はともあれセールスをしている可能性くらいはあるだろう。

ギリシアが破産した背景の一つに脱税の横行があるらしい。役人に金を払えば税金をろくに払わなくて済むというのだ。これでは国家が成り立つはずがない。EUは今後、何らかの監視や監督はするだろう。

日本ははたしてどうなのか?

歳出のカットももちろん大切だが、税金を本気で上げたいのなら、やはり納税の不平等感をなくすことは重要だろうし、脱税の摘発はもちろん大切だ。

ただ、日本では、架空経費や売り上げのごまかしのような明らかな脱税行為でも修正申告で済ますので、国税出身の税理士を雇わなかったために経費を否認されて修正申告をしても、そういう輩と一緒くたにされる。

本物の脱税こそ、財政赤字の時期に、もっともまじめに取り組むべき課題なのではないか?