本日は、岐阜の可児高校というところで講演会。

帰りがけに、あしながおじさんの募金があった。金持ちが寄付をしないことを批判している割に、私はこの手の募金が苦手だ。このくらいの歳になって硬貨を入れるのも気恥ずかしいし、それ以上を出すという気にもなかなかなれない。

ただ、精神科医のはしくれとして自殺遺児については、さすがに気の毒だと思って、勇気を振り絞ってお金を入れることにした。ところが財布の中には万札と千円札が一枚。で、千円札のほうを入れたのだが、学校単位でやっているらしく、タクシーに乗るまで、何人にも募金を求められる。もう払ったと言いづらくて、なんか払わないで通り越すのも悪い気がして、本当にきまずい感じになった。ひょっとしたら私の顔を知っている人もいたかもしれないが、そういう事情だと拝察してほしい。

さて、本日のように、地方に行くと感じることだが、学力はともかくとして、「まじめ」さが残っている学校は、日本にまだたくさんある。教師のいうことを生徒が素直に聞く。

昔は、私も教師が嫌いだったし、若いころの著作は、教師のいうことを素直に聞いているようでは、受かるものも受からなくなるというようなことを書いていた。

しかし、このくらい学力や規律が乱れてくると、そういうまじめさも大事と思えるようになってきた。

後で話を聞いてみると、東大と京大会わせて10人前後、名古屋大に3~40人合格というレベルのそこそこの進学校だという。合格者数はともかくとして、今年は東大の入学式の総代(ある科類にトップ合格した人の中から選ばれるそうだ)が出たし、理科Ⅰ類に入った子は、得点開示をみると理科Ⅲ類に合格できるような成績だったそうだ。

地方の子はきちんと勉強すれば、伸びしろがいっぱいあるというのが校長先生のことばだった。

おそらくは純朴な子供たちは、子供のころに素直にドリル学習などをやって基礎学力はきちんとついているのかもしれない。

ゆとり教育や格差社会化で地方の子供の学力ががたがたになっていると聞いていたが、まじめにやっているとそれなりの学力が残るし、そういう子がきちんと目覚めて勉強すれば、東大にだっていい成績で受かるのだと思うと正直なところほっとした。

でも、大学受験の内容がほとんど変わっていないのに、ゆとり教育で中学の内容が減らされて、その分を高校で勉強しないといけなくなったのは、子供にとっても教師にとっても大変だという話も聞かされた。もっともなことと思う。

実際、以前は、その高校も15人くらい東大に入っていたそうだ。

私が考えるより地方がましということも知ったが、一方で、予想通り地方が受ける不利益も思い知った。

現実に、昔と違って高校に行くのが当たり前になったのだから、中学と高校のカリキュラムのバランスの悪さは改善すべきだ。

前も書いたことがあるかもしれないが、私が灘中に入ったときにこんなことを聞かされたことがある。

まず、英語の先生に、「中学校で習う英単語はわずかに1000だが、高校で習う単語は5000ある。いい大学に受かりたければ、10000も覚えないといけない。だが、中学時代のほうが高校時代より記憶力はいい。だから、年に1000覚えることにする」と言われて、結局1年で中学範囲を終えることになった。

数学の先生には、「君らみたいに灘中の試験に受かってきた者には、中学の勉強は簡単すぎるやろ。でも、高校の勉強は難しいし、範囲も多い。数Ⅲまでだと3年で終えるのは無理と思てる。だから、中学範囲を1年で終える代わりに、高校範囲は4年かけたる」

そうでなくても、中学と高校のカリキュラムのバランスが悪かったのに、ゆとり教育はそれをさらに悪くした。

そういう子供の中からでもやり方の工夫で東大に上位で合格する人間が出ている。

こういう地方の子供の底力に期待したいし、そのために緑鐵もしっかりやっていこうと心に誓った。
って高校に行くのが当たり前になったのだから、中学と高校のカリキュラムのバランスの悪さは改善すべきだ。

前も書いたことがあるかもしれないが、私が灘中に入ったときにこんなことを聞かされたことがある。

まず、英語の先生に、「中学校で習う英単語はわずかに1000だが、高校で習う単語は5000ある。いい大学に受かりたければ、10000も覚えないといけない。だが、中学時代のほうが高校時代より記憶力はいい。だから、年に1000覚えることにする」と言われて、結局1年で中学範囲を終えることになった。

数学の先生には、「君らみたいに灘中の試験に受かってきた者には、中学の勉強は簡単すぎるやろ。でも、高校の勉強は難しいし、範囲も多い。数Ⅲまでだと3年で終えるのは無理と思てる。だから、中学範囲を1年で終える代わりに、高校範囲は4年かけたる」

そうでなくても、中学と高校のカリキュラムのバランスが悪かったのに、ゆとり教育はそれをさらに悪くした。

そういう子供の中からでもやり方の工夫で東大に上位で合格する人間が出ている。

こういう地方の子供の底力に期待したいし、そのために緑鐵もしっかりやっていこうと心に誓った。