アメリカの景気がいいことに驚いたというメッセージをいただいた。(何度も同じ名前で送ってくださっている人はあけないことにしているので、あまり無駄な時間を使っていただきたくない。むしろ、人に喧嘩を売るのは損なことなので、その時間を自分の味方を増やすのに使ったほうが、結果的に私がずっといやな思いをすることになると思う。その方は、ひょっとしたら人間の心理がわからないから、経済の理論が素直に信じられるのかもしれないが)

アメリカは貧富の差の大きな社会なので、なんともいえないし、失業率もひどいものだが、金持ちの景気はかなりいいようだ。だから株価も底堅く1万ドル台がキープできているのだろう。

今朝もホテルで朝食をとっていたら、コーヒーも、ジュースも、水まで別会計で、チップを合わせて50ドルも取られたが、泊まり客でもない富裕ビジネスマンたちが、そこで朝を食べるため、レストランはあふれかえっていた。

実は、本日のメインイベントは、年に一度の楽しみであるジョルジョ・バルディの白トリフ漬けのカルパッチョを食べることだ。

4年ほど前に偶然食べて以来、それに取りつかれて、毎年白トリフのシーズンにLAに行っている。

このレストランは、数年前にザガットでLAでいちばんのイタリアンとして紹介されて、私もいったが小さいが普通においしいレストランだ。サンタモニカの海岸の近くにあり、帰りの夜景も美しい。

ただ、ここの白トリフ漬けのあカルパッチョは別格だ。日本では白トリフは上からかける店しか私はしらないが、ここではそれを下味をつけるのに使う。トリフというのが非常においしい、また高価な調味料なのだとここで初めて気付かせてもらった。その中で白トリフは格別なものだ。

で、今年は20年ぶりのトリフのできのいい年と聞いて楽しみにしていったのだが、残念ながら例年より、白トリフの漬けこみが甘い。味が十分浸みこんでいないのだ。

これは非常に惜しい。白トリフの味自体はノーブルなので、決して悪くないのに。

ちょっとした手抜きは、楽しみにしている客をがっかりさせる。来年もこれなら、わざわざという感じになってしまう。

一度、白トリフを日本でもなるべくいいやつを手に入れて、とびきりの和牛で、これを作ってみたいと夢見ている。私の初料理が、日本のグルメをうならせるような夢ももっている。

ただ、リングィスティーニもおいしかったし、GAJAのワインもだんだん開いておいしくなった。(例のごとく帰りは、飲酒運転だが、アメリカの場合、検問がなく、いい加減な運転をしているときに、呼び止められるので、普段より安全運転をする。その辺の心理は日本の官僚警察にはわからないだろう)

ところで、隣に黒人の紳士が女性連れで、食べていたのだが、帰った後、エディ・マーフィーだと私のサーブの係りの人が教えてくれた。

黒メガネをかけてやせていたので、まったく気付かなかった。とても上品な印象だけが残っている。

根がミーハーなので、それだけで気分がよくなって、白トリフのがっかりが帳消しになった。エディ・マーフィーもかなりのワインを飲んでいたが、自分で運転して帰ったようだ。

この国は、貧富の差が大きいことをのければ、かなりいい国だ。もちろん、それなりの値段の店だが、満席だった。金持ちの景気がいいのは、少なくともLAのエリアでは確かなようだ。

で、このブログを書き終わってから寝酒を飲みに行ったら景気のいいソフト会社の経営者にあって、飲んでいるうちに意気投合して、彼が飲んでいたColgin 2005をいただくことになった。やっぱりおいしい。日本も早く景気がよくなってほしい。

金を使わないことには景気がよくならないのは確かなようなのだが。