先週、私が翻訳させて頂いた書籍「グレアムからの手紙(賢明なる投資家になるための教え)」が無事に出版されました。 http://www.panrolling.com/books/wb/wb207.html






なお先週末は父の日でしたが、著者のベンジャミン・グレアムは「証券分析の父」、または「バリュー投資(割安株投資)の父」などとも呼ばれている人物です。前回のブログでこの翻訳に少し触れましたが、今回その経緯などについて書いてみたいと思います。




はじめてこの翻訳のお話を頂いた時に、私にとってベンジャミン・グレアムは特別な存在であったことから、私は二つ返事で快諾させて頂きました。出版翻訳自体が初めての経験であり、全訳(脱稿)するまで半年以上を要するプロジェクトでしたが、その決断には2秒とかかりませんでした。




実は、私が以前勤務していた米国系の投資顧問会社がグレアム流の投資手法(バリュー投資)を標榜する投資会社であり、さらに、その創業者の祖父が若かりし頃にグレアム自身が経営していた投資会社グレアム・ニューマン社で直接薫陶を受けていたのです。




そしてその孫(私が勤務していた投資会社の創業者)に受け継がれた、いわば「バリュー投資のDNA」に私も触れ、「Margin of safety(安全域、ごく簡単に言えばリスクを取る際のバッファー)」などの考え方の重要性を叩き込まれながら業務に励んでおりました。




そのような私が今回、グレアムが半世紀にわたって書き綴った文献を原文で読み、内容を咀嚼して日本語として表現していく過程の中で、まさに時空を超えてグレアム本人からバリュー投資の教えを直接受けているような錯覚を少なからず感じ、膝をたたいたり、「あ~、なるほどそうか・・」などと呟きながら、感慨深さと共に何度も目頭が熱くなったものです。




本書は、投資や経済に関するやや専門的な書籍ですが、書店などで見かけた際には、チラッとでも眺めて頂ければ幸いです。ちなみに、第4部に比較的読みやすい対談形式の文献が3本収められていますが、これを読むだけでも、グレアムのバリュー投資の真髄に触れることができると思います。




企業業績や株価、そのほか多くの経済指標、さらには人物像や社会現象にいたるまで、より長期間で見れば見るほど、より正確に現実の姿が浮かび上がってくるように私は信じていますが、グレアムがその概念を創造した「証券分析」や「バリュー投資」だけでなく、企業やそれをとりまく経済の歴史などを理解するうえでも、この伝説的投資家による半世紀にわたる文献の数々に触れることでまさに同じ効果が期待できるように思います。




グレアムの深遠なる言葉をどこまで表現できたかについては一抹の不安がありますが、読んで頂いた方に何か一つでも新しい発見がありましたら、幸いに思います。

















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翻訳、脱稿しました。

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ブログの更新がすっかり遅れてしまいました。。。


昨年から、ベンジャミン・グレアム(著名投資家ウォーレン・バフェットの師匠として知られています)の過去の論文を集めた原書の翻訳を請け負っていまして、この半年は通常業務以外の時間をほぼこちらにあてていました。何卒ご容赦ください。


ようやく全文の翻訳が終了し、これから校正、編集を経て、順調にいけば6月位に書籍として店頭に並ぶ運びであります。校正過程での「赤入れ」がどの程度になるのか、多少不安がありますが(笑)


実は、私はこのベンジャミン・グレアムという人物とは意外なところで接点があり、そうしたことも踏まえて近日中に再度まとめてブログにアップしたいと考えています。


まずは取り急ぎ簡単ですがご報告までお知らせします。

有難うございます。



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17日間の熱い戦いの日々が幕を下ろしましたね。寝不足からの解放による安堵感と共に一抹の寂しさを感じています。。。


今回も様々なドラマが連日繰り広げられましたが、我が国も、最終日にレスリングで見事金メダルを獲得して締めるという、有終の美を飾りました!


さて、このメダルの獲得数というのは、ある意味、各国の「国力」の反映と思われますが、これを眺めていると、現在の世界経済、ビジネスの情勢と驚くほど重なって見えるように思います。

以下に3点、気になりました点を記載します。


まず初めに見えるのは、その偏りです。


経済の規模たるGDPは上位10カ国で世界のおよそ3分の2を占めていますが、今回のロンドンでのメダル獲得数上位10カ国で全体のメダルの4分の3超を獲得しており、経済以上の偏りが伺えます。

我が国のように、多くの競技での選手の活躍で国中がお祭り騒ぎになっていたのは、実はごく一部ということですね。


2つ目に、本格的な米中2強時代の到来です。


GDPでも今や、米国に次ぐのが中国ですが、企業ベースで見ても世界の時価総額上位10社は1位のアップルを筆頭に「米国と中国の企業のみ」で占められています。
なお、日本の時価総額最高位はトヨタですが、20位以下となっています。。。


3つ目に、日本のメダル総数に対する金メダルの少なさ(転じて国際競争における地位の変動)です。


今回に限らず、近年のオリンピックではどうも金メダルの数が「控えめ」だな、と感じています。
米国、中国はじめ他の上位国は、金メダルが最も多いか、少なくとも銀、銅と同程度は獲得していますね。日本とオーストラリア以外は。。。


逆に、北朝鮮は参加選手が日本の2割程度とのことですが、メダル総数6個に対し、金メダル4個と「ランチェスター戦略(ニッチ集中戦略)」の如く成果を上げました。


また、各競技のメダルによる順位をビジネスの業種や品目のシェアに見立てるとさらに深く見えてきます。


ある業種において、シェア1位が金メダル、2位が銀メダルとすると、例えば、日本のお家芸の柔道は今回、金メダルは女子の1つに終わりましたが、これなどはまさに日本の家電メーカーのように思えてきます・・・


一方、韓国はメダル総数28個のうち、金メダルが13個、特に柔道男子で金メダルを2個獲得しており、これは液晶や半導体などかつての日本の独壇場を今では韓国が凌駕している状況に瓜二つに見えます。


家電も柔道も、これまで日本が技術、経験で先行していましたが、まさに「追いつき、追い越された」という厳しい現実を突き付けられているかのようです。


他方、光がさしている面もあります。

レスリングは2人の3連覇をはじめ、金メダル4個と躍進しました。


これは、例えるなら日本の小売業界のようです。


小売といえば、代表的な「内需」産業で人口減少で先行き暗いのではと思いきや、ユニクロや無印はじめ、コンビニ、アパレル、飲食などの本格的な海外展開が始まっています。


日本の小売のきめ細かいサービスレベル、小回りのきくビジネスモデルは、良い対日感情と相まって東南アジアでは特にフィットすると思いますし、欧米大手や現地の小売は容易に模倣できないと思われますので、私は日本の小売業は「21世紀の輸出産業」と見ています。株価も堅調な企業が多いですね。


沈むものがあれば、浮かぶものがある・・・


やはり物事全てに「流れ」があり、そして全ては繋がっているんだなと。


熱戦の感動と共に、感慨にひたっています(笑)

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