熊本・大分の地震報道に関して、NHKの板野放送総局長はアナウンサーの伝え方について「気象庁の発表する原稿を伝えるだけではなくて、もっと見ている人、聞いている人に訴える放送をやるべきではないか」と記者会見で述べたそうだが、そんなのは当たり前。

むしろ気に留めなくてなくてはならないのは、NHKのアナウンサーが型にとらわれすぎではないかということ。
現場の感覚がわからないままそのような呼びかけをしても被災者の感覚とずれる。

スタジオにこもりきりでやってきたキャスターは現場の感覚からはかい離する。キャスターも交代で現地に入って伝えるべきと感じる。

NHKは初動から情報の優先度を誤っていた。震度7の益城町の様子をいち早く知りたいのに、気象庁の会見を延々伝えるなどしていた。
地震の際の気象庁会見の速報優先度は低いので、特異なことを言っていれば、すぐに切り替えて伝えればよい。
被害状況の把握と、一刻も早い命の救出につながる報道が必要なのにそれができていなかった。

中継でも「益城町です」と言っても、どこなのかわからない。
益城町木山なのか、益城町宮園なのか、益城町安永なのか。

こうした情報を関係者は知りたいわけだし、救出に向かう消防や警察、自衛隊もNHKの情報を併せて収集し、命の救出につなげるための行動を取っている。
全く不十分だった。

私が熊本入りした時も、ずっとラジオを聞いていたが、「被災地生活情報」の放送頻度が少ないと感じた。
これは、東日本大震災の教訓を経て、NHK局員皆で被災された方々に必要な放送を届けるため訓練してきたことではないか。

今こそNHKは踏ん張りどころだ。
今回の地震報道では、日テレのほうがわかりやすく被災地の現状を伝えている。
これではNHKの緊急報道の信頼感が薄れてしまう。

『NHK 地震報道で「訴えるアナウンス」意識』(デイリースポーツ)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160420-00000067-dal-ent