日本人の知らない「かん水」のアレコレ | ラーメンを作る

ラーメンを作る

うまいラーメンを自分で作る。
番外編で、信州上田(地元です…)のあんかけ焼きそばとかもつくりたいなぁ。

これまで趣味のラーメンづくりで、中華麺の材料であるかん水についていろいろ調べたりします。また、ラーメンを食べるのもまた大好きなので、いろんなお店の情報をネットで集めたりします。

ネット上では、知識のない消費者に対して、悪意ある(もしくは無知から来る)かん水の説明の仕方がなされている場合が多々あるようですので、ここで今一度かん水に着いて整理したいと思います。

◎かん水は身体に悪い
大量に摂取すればもちろん身体に悪いでしょうが、それはほとんどの食品についても言えることです。極論をいってしまえば、水ですら大量に飲めば死に至るわけですから。
一般に、ラーメンに使われるかん水は、一食分であればきわめて少量です。しかも、麺をゆでるときに、かん水成分は湯に流出するため、最終的には摂取量はかなり少ないと言えます。茹で湯をまったく交換しない、臭い麺を出すお店や、麺を茹でた湯をそのままスープに使うインスタントラーメンの方がよっぽどかん水を摂取することになります。
「身体に悪い」というのは、特にリン酸系の成分についていっているのでしょうが、肉類等に含まれているリン酸を考えれば、かん水中のリン酸は極微量(かん水によってはリン酸は含まれていません)ですので、肉類やスナック菓子類に比べれば微々たるものです。
要は、食品はバランスよくということでしょうか。肉類、魚介類を食べて、ラーメンに含まれる微量のかん水を目の敵にするのは、どうもアンバランスな思考です。

◎かん水で麺が黄色くなる
ちょっとなります。でも、私たちがラーメン店で食べる麺の色はかん水ではないと断言できてしまうくらい、着色効果は少ないです。黄色い麺だなぁ、と思ったらそれは卵黄、もしくはクチナシ色素等の着色料によるものです。黄色いからかん水が多い、というのはほぼ間違いと言って良いと思います。(中にはかん水を大量に使っているお店があるかも知れませんので…)

◎かん水で縮れる
全くの勘違い。製麺の過程で麺を縮れさせています。

◎天然かん水
日本では「かんすい」は食品添加物として扱うことが食品衛生法によって定められています。そして、食品添加物の成分としてかん水の成分も定められており、それ以外のものは認められていません。もちろん、指定外の成分が含まれている可能性のある「天然」といわれるものは認められていません。
ネットで「天然かんすい」と調べると、大量の検索結果が出てきます。しかし日本では「天然由来のかんすい」はあっても「天然かんすい」はない、というか違法なわけです。
かん水はもともと中国(モンゴル)で産出したもので、今でも原料として日本に輸入されていると思いますが、成分の調査等をせずに土壌汚染・水質汚染の進んだ国で産出される天然ものっていうのも…。そもそも不純物が多く危険であるため成分が規定されているわけです。日本国内で「かんすい」を名乗るならば、食品衛生法で安全が確認されている成分を守る必要があり、有害な不純物が含まれる可能性のある「天然かんすい」なんていってはいけないわけです。
結果、そのように喧伝する人々はどうも信用なりません。以下のいづれかです。
・勉強不足。かん水についての知識がない。もちろん、おいしい中華麺は作れない。
・知っていて、健康志向っぽいので利用。これは消費者の知識不足を利用してとにかく売れればいいといった悪意を感じますが、もちろん麺や消費者への愛は感じません。
どちらにしろ、関わりたくはありません、よね…w

かん水についてしっかり勉強している、誠実なお店であれば「天然由来の成分100%のかん水」とか、ちゃんと言い方を工夫しているはずです。

一般の方は、かん水について深く調べることはないでしょうが、中華麺を作る側としては看過できません。「天然かんすい」などと銘打ったインチキ業者がなくなり、皆さんがおいしいラーメンをいつでも食べられるように願うばかりです。


にほんブログ村 料理ブログ 麺類(レシピ)へにほんブログ村 グルメブログ 神奈川・横浜食べ歩きへ