養子 | 環の会 -Motherly Network-      育ての親と養子として育った子どもたちからの声

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環の会で子どもを迎えた家族からの声をご紹介します。
※子どもの名前はすべて仮名です。



こんにちは。環の会理事の中溝です。

私の担当する回では、子どもにまつわる権利や法制度のことをお伝えしていこうと思っています。権利や法律はそんなに堅苦しいものではなく、身近で、これが守られることって、とっても素敵なことだということをお伝えできればと思います。 

今回は「文化」「芸術」。子どもの権利条約三十一条には、休息、余暇、遊び、レクリエーション活動にならんで「文化的な生活及び芸術に自由に参加する権利」が認められています。文化や芸術と聞いて、みなさんはどう思いますか。 

「我が家には本物の絵画はないよ~」「図書館や美術館にしょっちゅう連れて行けない!」「美術館に行ったって子どもたちは走り周るし、絵に興味ないしねぇ、とほほ」なんて感じてしまうでしょうか。もちろん、名作といわれる作品や本物の美術品、芸術活動に触れる機会があるに越したことは無いですが、でもね、子どもの権利条約がそんな高尚なことを言っているわけではないんです。 

子どもの権利条約は、どうして「文化」「芸術」を子どもの権利として規定したのでしょうか。実はこれ、子どもだけじゃない、大人にも保障されているんですよ。

国際人権規約A規約と呼ばれる「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」第十五条には、締約国の全ての人に「文化的な生活に参加する権利」が保障されるという規定があるんです。

この「文化」というのは「生活様式、言語、口承および文書による文学、音楽・歌、非言語的コミュニケーション、宗教または信仰体系、儀礼・祭礼、スポーツや遊戯、生産様式や技術、自然環境および人工環境、食文化、衣服、住居、芸術、慣習および伝統」だと言われていて、人間性や世界観を表現する手段だと説明されています。

そう、文化や芸術は名作のことを指すだけではなく、私たちの日常にある様々なものを包含する広い概念なんです。この考え方を子どもの権利条約も踏襲していて「文化」「芸術」に関する権利は、子どもが、自分のアイデンティティや自分の存在を意味づけたり、表現したり、外部の世界と遭遇して自分の世界観を作ることに資する大切な権利だから、しっかり保障しようと考えているんです。 

なんだか難しい話になってしまいましたね。もう少し、身の回りのことに置き換えてみましょう。

私たちは普段の生活の中で自然と「文化」や「芸術」に触れています。お正月にお節やお雑煮を食べる、地元のお祭りに参加する、花や緑、海、夕焼けを見て、きれいだなあと感じる、様々な表現活動に参加して楽しいと感じる。

もっともっと身近なことで言えば、干したお布団に飛び込むとお日様の匂いがするとか、うちの卵焼きは甘いとかしょっぱいとか。こんな風に、家族や地域とのふれあいの中で、心が躍ったり、震えたりすると、「ああ、私は踊ると楽しいって感じる人なんだな」と理解し、いずれ大人になったときに、子どものころにお祭りで踊ったなあと心が温かくなりますよね。

このような普通の、でも温かい営みが、子どもたちの成長発達には必要だよねと言われると…確かに!と思えるでしょう?条約が言っていることは、決して難しいことじゃないんです。普通の温かい営みや経験をたくさんしよう!そうすると、子どもたちは自分が何者であるかを知り、他者との違いを知り、他者と影響し合うことを知り、自分自身を確立していくことができるんだよと教えてくれているんですね。

条約の子どもたちに対するまなざしは、とっても温かくて心地いいものなんですね。 

さあ、今年も、子どもたちと一緒にたくさんのことを経験し、思いっきり楽しんで、いっぱい感動しましょう♪ 

環の会理事・中溝 明子