『ひとりじゃない!』~10ヵ月の赤ちゃんが教えてくれた家族の意味~ | 環の会 -Motherly Network-      育ての親と養子として育った子どもたちからの声

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環の会で子どもを迎えた家族からの声をご紹介します。
※子どもの名前はすべて仮名です。

息子の空(そら)は4月から小学1年生、娘の絵麻(えま)は保育園の年中になりました。最近、私たち夫婦をハッとさせた出来事があったのでご紹介します。
娘は乳児院から生後10ヵ月で迎えました。寒い時期でクリスマスを数日後に控えていたので、園長先生が「初めてのクリスマスはお家で迎えられるね」と優しく声を掛けてくださったのが印象的です。暮らしはじめは、見知らぬ環境に不安を抱き、夜泣きや後追いが続く日々。1ヵ月が経つ頃には平穏を取り戻し、笑顔が増えてきました。
昨年、乳児院からフォトアルバムが届きました。可愛くデコレーションされたページには1ヵ月~10ヵ月までの娘の姿が一人きりで写っています。3歳の時に見た反応は「誰の赤ちゃん?かわいいね」とページをめくって眺めていましたが、4歳になると、写真の子が自分だとわかり「なんでいっつも独りなのさ!」「ここどこなのさ!」と怒った口調で言います。
施設行事の集合写真は数枚ありますが、成長記録はどれも娘一人。
確かに、家庭とは違う、言葉では表現しにくい独特の雰囲気が娘に伝わり、こんなに繊細な反応をする事を予想していませんでした。
すぐに、アルバムの残りのページに家族写真をたくさん載せました。息子が「えっちゃん(絵麻)見て!家族の写真だよ」と言うと「本当だ!えっちゃん独りじゃない。そらもパパもママもいる」と嬉しそうに話します。
今では、1ヵ月ごとの見出しをカウントダウンして「1、2、3…ジャジャーン!(家族写真)」と安心してアルバムを開けるようになりました。

また、娘にはお気に入りの写真があります。出産直後の産みの母、胸に抱っこされた生まれたばかりの娘、立ち会った産みの父とのスリーショット写真です。
それを見ると「ふたりとも笑ってる。えっちゃん生まれて嬉しかったって笑ってる」「よく生まれてきたねって思った?」と聞くので「そうだよ!えまが生まれてきてよかったよ。世界一かわいいよ」とパパが返します。
アルバムを開いて、そのやり取りを繰り返すことで、娘が抱えている不安が和らいでいるように見えます。生まれて4年しか経っていませんが、自分が愛されて生まれてきた、という確信を少しずつ育てています。
4歳の誕生日の時、産みの両親からの手紙に返事を書いて送りました。
産みの母へ『うんでくれてありがとう』産みの父へ『おせわありがとう』と一人で文を考えて書いていました。
自分を産んでくれた両親に感謝できる娘が誇らしいです。これから成長する過程で悩んだり迷ったりすると思います。そんな時いつも私たちが傍にいて「大丈夫だよ。ひとりじゃないよ」って言ってあげたいです。