昨日も1日中つっ立って見ているだけだった。
あまりに暇で寒いのでつい歌を歌ってしまう。
「スタイリ~スタイリ~♪スタイリ~スタイリ~♪」
何でこんな歌しか出てこないのか・・・。
定時で終了すると、洗濯や風呂を終えても午前2時半程度だ。
すぐに寝たら10時には目が覚める。
実際には11時くらいまではだらだらしているのだが。
天気が悪かったが自転車で出かけた。
少し肌寒い程度だが自転車をこぐにはちょうどいい。
港の先にあるサークルKで弁当を買う。
田原寮は近くにコンビニが無いため、俺は9ヶ月間で5回くらいしか利用しなかった。
港に戻って釣りをしているおっちゃんを見ながら朝兼昼食をとる。
いよいよ満了が迫ってきた。
実際には年休を最後にくっつけているので正式な満了日は3月上旬なので、寮にしばらく居残ることも出来る。
電化製品は処分したし、ネット契約は来週の日曜日までだ。
うちの嫁には3月上旬の満了日のことしか知らせてないのでしばらく一人旅にでも出ようかな。
もう長い間JRの時刻表など読んだことがないが、明日本屋で1冊買ってみるか。
あと1日だ。

今日突発が1人出た。

関係あるのか、新人が昼から抜かれて残りの3時間だけを俺が作業した。

見ているだけというのは楽だと思ったが全然違った。

まず寒い。

今までは多少は汗をかくので作業服の下はTシャツ1枚だけだったが、これが災いしてとにかく寒い!

その場で足踏みしたり意味も無く歩き回ったりして寒さをしのいだ。

そして時間が経つのがとにかく遅く感じた。

昼飯までの時間がいつもの何倍にも感じたくらいだ。

だから眠くなるし、見ているだけというのも精神的には全く楽じゃなかった。

昼から俺が作業することになってほっとしたくらいだ。


ところで今日突発で休んだ期間工 “H” は俺に極めて近い年齢の30歳代で11月に赴任した。

が、12,1,2月の3ヶ月連続で突発を繰り返している。

1月は新年早々2日も休んだとんでもない野郎だ。

単純計算でもう10万円以上も失っていることになる。

GLに欠勤の連絡は入っていたらしいのだが今日の昼休みにある社員と雑談してたら、その “H" をパチンコ屋で見かけたと言うのだ。

その社員も ”H" も無類のパチンコ好きでよく店内で出会うことがあるらしい。

しかも1直終了後は当たり前、2直の勤務前にも店に通う、いわゆるパチンコ中毒だ。

社員の方は1時ころで切り上げたのだが ”H" はずーっと打ち続けていたという。


まあ、こんな奴がどうなろうと今の俺にはどうでもいいことだ。

皆の頑張りで今日も定時終了だ。


外は雨が降っているが明日は晴れとの予報だ。

朝からちゃりで散策にでも行こう。

新人期間工が入ってきた。

ようやく満了が近づいてきた実感がする。

20歳代後半ながら3回目のスパイラル期間工だ。

3回とも田原工場だがなぜか同じ部署は1度も無いらしくここも初めてなので、1から教えることになった。

月曜日の午前中は俺の作業を見ているだけだったが、午後から突然GLに呼ばれて終了間際に帰ってきたため、今日が実質の初日みたいなものだ。

今日も午前中は見ているだけだったが、昼休みに


「大変そうですね~ライン作業って・・・」


彼は今までライン外作業しかやったことが無く時間に追われて仕事をするライン作業は初めてだった。


午後からは彼に一度やってもらうことにした。

注意事項は特に言わずにただやらせてみた。

先週からタクトが遅くなってるので、もしミスをしても俺がすぐに直せると思ったからだ。


作業を始めて10分あまり・・・まだモノは10個程度しか流れていないのだが、彼は顔から玉のような汗をかいて全身ずぶ濡れ状態になる。

そろそろ遅れ初めてきたので替わろうと思ったが、後工程の者がひもを引っ張ったらしくラインが止まった。

職制がやって来て


「おいっ、全部不具合だぞ!」


最初からミスが出ているとは思わなかった。

今度は俺が作業をし、説明を加えながら彼に見せた。

そして彼に替わる。

こんどはミスは無いのだが、いかんせん速度がぜんぜん追いつかない。

10個程度流れたところでラインに追いつけなくなる。

俺も最初はこんなだったのかなぁ・・・と懐かしむが、以前はもっとタクトが早かったので今のほうが楽なくらいなのだが・・・。


休憩時間、彼は汗びっしょりで自販機のジュースを買いに行った。


「見るのとやるのとでは大違いですね・・・」


俺も最初に思ったことだ。

1時間の残業後終了したが、彼はまた自販機に走り500mlのペットボトルを一気飲みした。

明日からは彼1人でさせるように職制から指示を受けた。

俺は後ろで見ているだけでいいそうだ。


いよいよ終焉のときが来た気がする。

外は激しく雨が降っている。

ミマスで雑誌でも立ち読みしようと思ったが中止だ。

電子レンジとホットプレートを売っぱらったのでもう自炊することも無い。

炊飯器は結局700円で売却がきまった。 

もちろんしゃもじ付。


滋賀県の長浜園児殺害事件のことが毎日話題になっている。

日本人の夫と中国人妻、国際結婚紹介所を通して結婚とのことだったが夫婦の気持ちはわからないでもない。

俺の嫁さんは日系4世のハワイ出身アメリカ人で、祖母がポリネシア系ネイティブだったのであきらかに日本人とは違う風貌だ。



子供のころに日本に来ているので日本語は問題なく、漢字などは俺より詳しいくらいだ。

しかしケンカになると英語が出てくるのでかなわない。

そのときの英語は「ピジンイングリッシュ」といってハワイ語とでもいうのか現地語になる。


さて、一風呂あびて飯でも食おう。

今週は最後の2直だ。

牛丼の松屋に行った。
ココは食券を買わないといけないので、どんなにテーブルが空いていてもまず食券販売機の前に並ぶ。
俺の前に小学生くらいの子供を2人つれたお母さんがいた。
こどもは「牛丼!牛丼!」と叫んでいたが母親は「牛丼以外にしなさい!」と、なぜか牛丼を避けていた。
なかなか決められないらしい・・・。
1分くらい子供が迷っていると、後ろの方にいた中年のおっさんが
「早くしろよ、後ろ見てみろ!馬鹿!」
と怒鳴りだした。
後ろに10人くらい並んでいてその列が店内の壁に沿ってずらーっと立っていた。
昼飯時なのでたくさんの客が待っていた。
母親は「すいません」と言って商品のボタンを押すのだが食券が出てこない。
3人分で1050円なのに1000円しか入れていないのだが、気づかずに必死で押している。
もうあせってるのは見てわかる。
「あのー50円足りないですよ・・・」
すぐ後ろにいた俺はたまらず助言した。
母親は恥ずかしかったのか黙って50円入れて、結局牛丼を買った。
このお母さんテーブルに座っても周りを気にしながら、子供に食べ残させて急いで店を出て行った。
・・・10年以上前、まだ吉野家に牛丼しかメニューが無かったころのこと。
店に老夫婦が入ってきて店員に
「メニューを見せてください」
と言った。
店員は「並み、大盛、特盛りがあります」と言ったのだが、その老夫婦
「どのくらいの量があるのですか?私達のような年寄りでも食べ切れるでしょうか?牛丼以外は無いのですか?」
などと延々質問を繰り返していた。
店は忙しそうだったので、店員は早く切り上げて他の応対をしたかったのか、
「並み、大盛、特盛りの3種類ですが!!」
と怒鳴るように言った。
「じ、じゃあ並みを1人前」
「1人前でいいんですか?」と店員。
「はい、それだけでいいです」
その老夫婦は1つの牛丼を2人で食べていた。
牛丼屋、されど牛丼屋・・・さまざまなストーリーがある。
来週は最後の2直勤務。
午前中は荷物整理の日々になるだろう。