俳句
老師説く 背にて叫びし 蝉の声 苔に染み入る 民芸の庭
樹々
俳句
⑤ 老子説く
⑦ 背にて叫びし
⑤ 蝉の声
⑦ 苔に染み入る
⑦ 民芸の庭
私は高校時代、文学作品や新劇に目覚めました
それが高じ雑誌に投稿したり、映画や新劇の舞台を鑑賞するようになりました
ある夏休みに東京にある劇団を訪ねるという冒険に出ました
民芸という劇団の養成所を訪ねました、正面玄関から入る勇気がなく建物を回ると裏側に食堂のような所があり一人の老人がいました
勇気を出して声をかけると庭に来て、養成所に訪ねてきたわけを聞きかれました
「文学作品が好きで新劇に興味がある」事などを話すと
「君は丸刈りの頭を見るとまだ高校生だね、ここに来ることはお父さんやお母さんに話しているの」
「はい」と答えると
「養成所は入っても苦労が多い、劇団員はみんないろいろなアルバイトをしながら頑張っているんだ。それでも夢をかなえられなくて挫折していく人がほとんどなのだ」
「この事をご両親に話して、高校を卒業して大学の芸術科に行くか、民芸の養成所に入るか決めなさい。その時は相談に乗るよ」とおっしゃって下さいました
そんな事がありましたが、残念ながら芸術科にも養成所にも入らず今日に至っております
夏の暑い中、蝉の声がする中で色々と御指導下さったのは、故宇野重吉先生でした。