80年前の今日

この国は世界の複数の大国と戦争を始めたのでした


この戦争が、どのような経過を辿り

どのような結果となったかは、映像や本に残されている通り


ぼくの年齢では、この戦争は教科書に載っている「歴史」のひとつであり

日常や体験からはるかに離れたところにあるものなのです


ぼくは、高齢者と呼ばれる方々と関わることがとても多い仕事をしていますが

その方々は、年齢的に多かれ少なかれ戦争を経験しておられています


その中のひとりが、軍隊への招集令状を保管されておられており、ご厚意で実際に見せてもらったことがありました


この時代は20歳になると、軍隊で2年間兵士として教育を受けます


その後は一般市民に戻るのですが、戦争になると招集されて再び軍隊に入って戦地に送られることになります


その招集される時に届くのが招集令状

いわゆる「赤紙」と呼ばれるものなのです


これを見て、そして所有者の方のお話を聞きまして

ふと思うことがあったのです


この時代、20歳以上の多くの男性は

命令ひとつで戦地に送られ死にうる兵士だった


日常で当然のように生活していても

明日にはいなくなって二度と生きては戻れないかもしれない存在であった


街を散歩する人、電車で通勤する人、公園で家族との時間を楽しむ人…

そんなごく日常で見かける光景の中にいる人が、そのような存在であった


そして今の時代、今のこの国は

平和のなかにあり人の命に重さがある、と


今日、十二月八日

この時代を過去から考えてみるのも、よい機会なのかもしれません