レオナルド ダ・ヴィンチ「人物画」 33x23cm 個人蔵
1452~1519
1452~1519
ダ・ヴィンチ作?
この作品のニュースでこの作品を最初に見たとき、女性の顔が「現代的だな」と感じ、でもダ・ヴィンチ的なところもあるな思ったのですが、記事を読むとダ・ヴィンチの指紋らしきものが見つかりレオナルド・ダ・ヴィンチ作である可能性が高いと書かれているので、本当にダ・ヴィンチ作なのか?この作品の女性は胸から上を真横から平面的に細部を緻密に描いています。
この構図はアントニオ・デル・ポライオロ「婦人像」1475年頃作(下図)とよく似ていて、この当時は何人かの画家が同じ構図で描いた作品が残っていて、肖像画としては一般的構図だったのでしょう。
当時フィレンチェではポライオロ工房とダ・ヴィンチの師匠のヴェロッキョ工房が多くの美術家を育てていて、ダ・ヴィンチも当然このような構図の肖像画は見ていたのでしょう。
ダ・ヴィンチの作品としては構図的にも空間処理また細部の描き方に独創性が見られない。
もし本当にダ・ヴィンチの作なら若いときの作品でヴェロッキョ工房に所属してる時の作品ではないか。
下図のポライオロの作品と見比べると髪の描き方とか髪の飾り付けの描き方などはよく似ている。
でも上の作品をよくよく見ると、指紋が云々と言うよりも、やはりモデルの聡明さと描いた画家の知性がだんだんと見えてきて、ダ・ヴィンチ作なのかもしれません。