プーチンの日記 -5ページ目

ブッシュ、単にむかつく



ああ、この写真の時、すごくむかついた。
ブッシュは開口一番私にこう言った。

『ヴァロジャー、この国に黒人はいるかい?』

出たな、例の質問。ブラジルでこう言って笑い者になった話は
有名だぞ。それにヴァロジャーって誰だよ。私は答えた。

「黒人は世界中のいたるところにいます。ロシアに、アメリカに、
 そしてあなたの心の中にも(棒読み)」

すると奴はこう言った。

『イッツオーケー(確かにこう言った)、ヴァロジャー。
 つまり私が言いたかったことは、君はとてもよくやっている
 ということだ』

「ありがとう、ジョージ…(何を言おうか考える)」

ブッシュは右手で私の肩に手を掛けた。私はとっさに右手で
ブッシュの奥襟を取り、体を中に入れることを考えてしまったが、
とりあえず目を見ないことでやり過ごそうとした。
息が臭いブッシュは私を遮って言葉を続ける。

『テロだよ、テロ。思い出したよ。私の補佐官が、まず君に会ったら
 テロの話から始めてくれと言っていた。私はこの言葉から君と共に
 始めよう』
 
何を始めると言うのだ。私はこう返した。

「あなたは、イラクとアルカイダに関係があったことを証明
 しました。私もテロリズムには決して屈さない姿勢を崩しません」
 
自分でも何を言っているのかよくわからない。センテンスが
おかしくなっている。ブッシュは全く意に介さないようだが。
 
『その通りだよ、ヴァロジャー。なぜ私がイラクとアルカイダに
 関係があったと思ったのか。それはイラクとアルカイダに
 関係があったからだ』
 
私はちょっと面白いことを言おうと考えた。

「リメンバー、911。そしてソヴィエトは忘れて」

黄色いネクタイがむかつく奴はこう返した。

『ソビエトに黒人はいるかい?』

ブッシュを背負わない…投げない…絞めない…落とさない…

これからが本番です



サミットは無事終了しましたが、実はこれからが本番なのです。
私はサミットが終わったばかりのペテルブルグで、中国・インドと
三か国首脳会談を行いました。

会談の中身なんて全くどうでもいいのです。ロシア主導で
開催したという既成事実を作ることだけが重要なのですから。
少しだけ会談の中身を明かしましょうか。各国料理の自慢大会ですよ。

ロシア料理・中国料理・インド料理と揃えれば、アメリカには
戦わずして勝つというのが一致した見解で、その後の話題は
もっぱら「アメリカ料理は果たして存在するか?」になりました。
この部分が一番熱い議論になりましたが、詳細は国家機密なので
述べられません。

今後はブラジルもこの会合に参加してもらう予定です。
アメリカ包囲網とか考えないでください。私はあの息の臭い
ブッシュとも仲良しなので、ええ。

これらの仕掛けをサミットを精力的にこなしながら工作して
いったので、非常に疲れました。合間にはmixiにもアクセス
しなければなりません。プーチニズムには終わりがないのです。

南の中国とインドは抑えつつあります。西のEUは資源で
握ります。日本を含めた極東アジアは飴と白馬と果物とムチで
対処します。いつの日か皆さんも、ロシア連邦の一員に
加われる日を楽しみにしていてください。

ロシアより愛をこめて…

とある日本人の事



日本は私の最も大好きな国の一つで、日本人には常に尊敬の念を
抱いております。幼少の頃に柔道と出会ったことは、私にとって
非常に幸運な出来事でした。

私は柔道を通して日本を知り、その文化に親しみました。
小さい者が大きい者を征するという柔道の教えは、私が大ロシアを
統治するという形で今も心の中で生き続けています。

娘も私の影響を受けてか、日本語を専攻しました。私も日本に
行くたび、またはロシアに来る日本人と日本語で話すことを
非常に楽しみにしております。

日本は資源もなく、常に周辺国のありもしない脅威にさらされて
いる小さな国ですが、その勤勉さにより世界有数の国となりました。
日本には素晴らしい人たちが住んでいます。礼節を重んじ、
控えめで紳士的な人たち…それが私の日本人の印象です。

かのように私は日本と日本人を愛しているのですが、全ての
日本人を愛しているわけではない、ということに気がつきました。

ここで名前を挙げることは避けますが、日本人である「彼」が
ブッシュと共にそこにいるだけで、著しくその場の品位が低下
することをご記憶ください。会談中、私は何度か錯覚を覚えました。
私がロシアの大統領というのは夢の中の出来事で、本当はただの
農場主なのではないか。そして私が今いるここは、農業協同組合の
会合なのではないかと。

彼は控えめでも紳士的でもなく、きちんと教育を受けていることが
疑わしい下品な振る舞いを繰り返します。その後に開かれた
夕食会では、彼はブッシュと共に醜いダンスを踊りました。

私は彼らを見て、ずっと考えていました。彼らはローマ帝国の
末期皇帝か、フランス革命前のブルボン王かと。
よくロシアは民主的でないと批判されますが、私は彼らにこそ
絶対王政を感じます。彼らは民や周囲を働かせ歌い踊る、
質の悪い童話の王様そのものでした。

もちろん、ロシアがゼロからの再スタートで発展を続けているのは
彼らが無能なおかげもあります。彼らは圧倒的に何もしていません。
だから彼と握手ぐらいはしますよ…

ブッシュに古い車を見せる



ブッシュがペテルブルグにやって来ました。
何のために来たのかは不明です(いや、冗談ですが…)。

私はブッシュに古い車を見せました。
私が大学生の時に初めて買った車という話です。
ええ、もちろん嘘ですよ。嘘に決まっているじゃないですか。

大統領たるもの、時にはバレバレの嘘をつかなければなりません。
ブッシュの周囲の人間は、みな私の嘘に気づいていましたが、
ブッシュだけは本気で信じていました。

政治に携わっているものならば、わざとくだらない嘘をつく
ことの重要性を普通に理解しているものですが、ブッシュは
あまりにも素朴です。私もしばしば唖然とするのですが、
しかしこれが現在のアメリカを支えるシステムなのだろうと
考えると、なかなか興味深いものがあります。

アメリカはムスリムなどよりも深く、無根拠な信仰によって
支えられており、そしてその代弁者がブッシュということ
なのでしょう。

さて小泉にはどういう嘘をつきましょうかね…

北朝鮮制裁決議案に反対する理由



もうすぐサミットで、非常に忙しくしております。
私がホストを務める今度のサミットですが、当然のように
水面下では暗闘が繰り広げられています。

北朝鮮問題がなければもう少し楽な話だったのでしょう。
みんなで和気あいあいを演じるという、嘘満載のサミットに
なるのが大変望ましかったのですが、なかなかそうはいきません。

ところで日本のみなさんは、ロシアが北朝鮮制裁決議案に
反対していることを快く思ってないようですが、われわれの
立場からすれば、日本の態度の方が理解できません。

何度も言いますが、私は金正日に白馬をプレゼントするなどの
活動を通して、北朝鮮の首根っこを押さえております。
贈答行為の意味するところ、そしてその効果について、
日本人はあまりにも無知のように感じます。

金正日は今、日本の果物が食べられなくて困っております。
金正日が普段食べている、スイカ・イチゴ・メロン・桃などの
果物は全て日本産です。ご想像の通り、北朝鮮国内ではそれらを
作れないか、または作っても不味いということです。

今、日本に必要なのは、北朝鮮制裁決議案ではなく、
対金正日果物贈答決議案だと私は考えております。
今回のサミットでは、この事を別の言葉で表明することに
なるでしょう。サミット声明のニュースをお聞きになったら、
「ああ、果物のことね」とご理解いただければ幸いです。