2024年1/12【695】Excellent!難易度4
胎教に良いからと妊娠中にモーツァルトを聴く。 9.11は陰謀論だと(半分冗談半分本気で)思っている。 「言った/言わない」でいつも喧嘩する。
ハイそれは私です。
もう…穴があったら入りたい。。
世の中はなんと錯覚に満ちているのだろう。
そして人間の感覚とはなんといい加減なのか。
私たちの思考はかなりバイアスが入っている。
外からの情報を無意識に鵜呑みにし、偏見や先入観に気付かずに、それを自分のオリジナルな意見だと思い込んでいる。
それは、わかる。
だが本書によればそういった外的要因だけではなく、自分自身の錯覚によるバイアスも相当に入っているというではないか。
私は自分の記憶は絶対だと確信しているし、全ての物事には因果関係があると思っているが、それも単なる『錯覚』(なことが多い)だという。
えーーーそうだったのぉぉ~
軽くショックである。
なんだか世の中全てが胡散臭く見えてくるんだけど。でも確かにその通りなのかも。。
なぜこういうことが起こるのかといえば、人間の脳の処理能力が急激なテクノロジーの発展による状況変化についていけていないからなのだ。
人間の脳は生きるために必要なことだけが見える・聞こえるように進化してきた。
その一方で現代の世の中はあまりにも急速に複雑になりすぎた。
その結果、脳と周りの状況にズレが生じ、誤解や錯覚、バイアスのもととなっているのである。
つい先日の飛行機衝突事故なんてまさにコレではないかとゾッとした。
管制官が行けと言った、だから前に飛行機がいるはずがない。
そういった状況では目の前にある機体なんて、たぶん目には入らない(知らんけど)。
人は自分の都合の良いように世界を見ている。
目の前の世界のごく一部しか意識していないし、自分が探しているものしか見つからない。
だから名バイオリニストが地下鉄で演奏していても気が付かないし、自分の能力を過信してどう考えてもすぐ捕まるようなマヌケな犯罪を犯すし、自信たっぷりな人を能力がある人だと誤解してしまうし、誰かからの視線を感じると思っているし、大きなプロジェクトの予算は最終的にいつも膨らむ。
自分に都合のいい理由と事実を作り上げてしまうから。
意味のないものに意味を与え、偶然の出来事に因果関係を求める。
だからどこにでも心霊写真は登場するし(パレイドリア)、あの人との出会いは運命だと決めつけてしまう。
そんなこと言ったら、法廷での証言なんて何の証拠にもならないじゃない!→しかし実際それで冤罪事件が起きているではないか(ジェニファートンプソン事件)。
何が本当で何が正しいのか、一体何を基準にしろと言うの?→だからこそ錯覚の影響力を正しく理解し、適切な行動を取れるようにしよう。
こういった心理学系の本にはトランプvs.ヒラリークリントン大統領選挙の話がしばしば取り上げられるが、本書にもあった心理学的に見るこのこの選挙戦は非常に面白い。
世の中の大概の出来事は、ほとんどが心理合戦なんだな…
そして、本もニュースも新聞も、そのへんに売っている物もSNSでキラキラしている人も、ぜーんぶ作り手の都合のいいようになっているだけなんだろなぁ~
一体何が真実なんだろうねぇ。。
モーツァルトを聴いて育った牛の乳が美味しい理由なんてない。
ピアノを習っても頭は良くならないしボケ防止にもならない。
マシュマロを我慢できた子供が将来お金持ちになるなんてこともない。
なんでも鵜呑みにしないで疑問を持ってみること。これだけは忘れないようにしたい。
ちなみに、本書の原題でもある✕✕✕、『自分はいかに思い込みをしているか問題』を実験できる、有名な動画がYouTubeにアップされている。
もしこれを読んでくださっている人がいればぜひ自分で試してみてほしい。
が、YouTubeを検索すること=実験のネタバレになってしまうことが大問題なんだよねぇ。
ネタバレのジレンマ。。
バスケットボール✕✕✕。
あなたもきっと、騙される。
※ちなみに私はこの有名な実験のことを本を読んで知っていたため、動画で実験することができなかった(ネタを知っているから実験にならない)。
しかし3人の知人に試したところ、見事に3人共が騙された。