人間の魅力とは何か?
かつて大徳寺大仙院のご住職、尾関宗園師に講演をお願いしたことがありました。
「テーマ」は何にしましょうかとおっしゃるので、私は「人間の魅力について」というのはいかがでしょうかと申しあげました。
かつて大徳寺大仙院のご住職、尾関宗園師に講演をお願いしたことがありました。
「テーマ」は何にしましょうかとおっしゃるので、私は「人間の魅力について」というのはいかがでしょうかと申しあげました。
その講演の師のおっしゃった言葉で:
『人間の魅力は、転ずるところにある』というのが今も記憶に残っています。
『人間の魅力は、転ずるところにある』というのが今も記憶に残っています。
クルリと転ずる変化は、人を飽きさせない。
硬軟・緩急を心得え、海面・流水の変幻自在な表情のように豊かな感性を持つ人は、確かに魅力あるお人となりましょう。
●クラシック音楽ではジェミニアーニ
日本の江戸時代、8代将軍吉宗のころイタリアのバイオリン音楽家<ジェミニアーニ>はイギリスで活躍していた。
尊敬する師匠のコレッリの原曲ソナタなどを、豊かな装飾をつけて再現させたことで知られています。
尊敬する師匠のコレッリの原曲ソナタなどを、豊かな装飾をつけて再現させたことで知られています。
この二人、音楽表現の違いが面白いのです。
コレッリが端正・中庸なのに対して、ジェミニアーニは情熱的で奔放。
コレッリが端正・中庸なのに対して、ジェミニアーニは情熱的で奔放。
だからコレッリの作品をジェミニアーニが編曲すると、退屈なバロック音楽に人間の血が流れ始めたように生き生きしてくるのです。
これぞまさに「転ずる魅力」。
これぞまさに「転ずる魅力」。
まずジェミアーニのオリジナル曲「合奏協奏曲ハ短調」の試聴を。