作業の分割 

 

やることを分解し1つ1つの作業を少なくして、取り掛かる時の精神的負担を少なくするという方法です。

 

いきなり、宿題や課題を全部やりきろうとすると、やる前からプレッシャーが重くのしかかります。

 

こんな場合は、まずは最初に宿題をやる段取り、手順だけ考える。

そして、休憩したのちに問題を解き始めるというように作業を分解します。

最初は、段取りだけ考えるのだと思えば、とりかかる前の精神的負担を軽減できます。

これも最初の精神的なハードルを下げる効果があります。

 

または、簡単な問題だけ先にやって、次に難しい問題をやる。

 

または、3ページ分の宿題がある場合は、1ページずつに分割する。

 

または、勉強が大嫌いな人の場合、まず最初は机に向かって筆記用具を準備する。

そして、次に問題を1問解く。

そして、次に宿題を半分やる。

そして、次に残りの全部をやる。

というように作業を分けていきます。

 

つまり、作業を分解して、1つずつやっていくわけです。

そうすると、まずは気軽に勉強を開始できるので、グズグズする時間を削減できます。

 

また、作業を分解すると、1つ1つの作業はそんなにつらくないので、休憩した後も次の作業をおっくうには感じにくいはずです。だから、またすぐ「やろっと」と言いながら開始すればよいのです。これを繰り返します。そうすると脳が勉強は楽だと感じ始めるわけです。こうやって、勉強そのものに対する嫌悪感や恐怖心を軽減するのもねらいです。

 

なお、前述の脳の作業興奮の性質も働いてきて、最初は1ページだけと思っていたのがだんだんと集中してきて、そのまま全部やりきってしまうこともあるでしょう。

 

もちろん、それでも良いのですが、勉強嫌いのお子さんの場合、あまり無理をして長時間勉強してしまうと、やり終わった後の達成感がある反面、脳に「もうたくさんだ!もう勘弁してくれ!」という感情を持たせてしまい、次回にまた勉強するのが嫌になる場合もあります。

なので、ここであまりストレスをためないように、最初に決めた作業分割ルールにしたがって進められた方が良いと思います。


ペタしてね

「作業興奮」について

 

脳は、最初は気分が乗らないことでも、作業を進めていくうちに集中した状態に入っていく性質をもっています。これを心理学では作業興奮と言っています。

やる気は、脳の「側坐核」という場所でつくられます。側坐核とはとても小さな脳部位で、脳の中心近くに存在しています。

 

この側坐核を活動させるためには、ある程度の刺激が必要です。刺激がこないと十分な活動を起こしてくれません。

 

この刺激とは、何か行動を起こすことです。

 

だから、何もせずして「やる気が出ない」というのは当然のことなのです。刺激を与えなければ側坐核は活動しないので、やる気の出ようもないのです。

 

ですから、ちょっと逆説的ではありますが、勉強のやる気が出ない時には、まずは何より勉強を始めるべきなのです。

「ええっ??」と思うかもしれませんが、これが一番の得策なのです。

とにかく行動を起こすことが側坐核を刺激することになるのです。だから、勉強を始めると、次第にやる気が生じて勉強に集中できるようになっていきます。

 

みなさんも、「やる前はしんどいと思っていたのに、やりはじめたら、いつの間にか集中していた!」という経験をしたことがありませんか?

 

とにかく、グズグズしていないで、勉強や仕事に取り掛かることが先決なのです。

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やる気になる魔法の言葉

 

「これから宿題をしなくてはならない

「今から勉強をやらなければならない
「今日こそ掃除しなくちゃいけない

 

これでは、無意識のうちに自分にプレッシャーをかけていることになります。

「~やらなくてはならない」というプレッシャーが蓄積しすぎると強迫観念にまで高まることがあります。そしてそのプレッシャーが高まりすぎると逃避行動に出てしまうこともあります。

 

逃避行動とは、たとえば、

「まずは30分ほどTVアニメを見てから勉強しよう」

そのTVアニメを見終わった後も、「やらなくちゃ」と思えば思うほど、やるのが億劫になって、もう1つ他のTV番組を続けて見たり、勉強机に向かっても漫画を読んだり、ゲームをやったりしてしまいます。

 

そして、勉強を先延ばしにすればするほど、嫌な気持ちは増大し、ついには恐怖心まで芽生えてしまうことさえあります。そうすると、結局その日は全く勉強しなかったと言う事にもなりかねません。 

 

では、勉強しなかったので、さぞかし楽で楽しかったのかというと、そうではありません。

 

この勉強しようかどうか迷ってグズグズしている時間は、罪悪感も多少はあってゲームやTVも心からは楽しめません。たとえその時は楽しんだとしても、その後に自己嫌悪と自分への失望感が増してしまいます。

 

実は勉強せずにグズグズしている時間は、決して精神的に楽ではなく、けっこうつらいのです。もしかしたら勉強している時間よりもグズグズしている時間の方がつらい場合だってあるでしょう。

 

実際には勉強なんてほとんどやっていないくせに、勉強がつらいと言っている子供たちの多くは、このグズグズした時間に苦しめられているのです。

これは他人から見ると怠けているように見えるのですが、本人にとってけっこうつらい時間なのです。これを本人さえも気づいていないのが残念でなりません。

 

勉強や仕事が遅い人は、それ自体が遅いというよりも、このグズグズする時間が長いことが多いのです。逆に勉強や仕事が速い人は、グズグズしている時間が短く、さっさと取り掛かっているわけです。

 

グズグズすることって、とっても損なことだと思いませんか?

グズグズする時間を減らすだけで、人生が精神的にもっと楽になりますよ。

 

では、どうすればよいのかというと、

 

「勉強しよっと」

「宿題やろっと」

 

と軽いノリで声に出して言うことです。

「しよう」「やろう」は自分の意志をあらわす言葉です。

ちなみに、この場合の「う」は意志を表す助動詞です。

受け身ではなく、能動的な言葉なので、強制されているというプレッシャーがかかりにくいのです。

 

そうです、やらされるのでなく、自分からやるのだ、という気持ちを引き出す言葉なのです。

 

だから、ぐずぐず迷っているときは、

まず、何も考えず、「やろっと」と声を出して言います。

小さくてもいいから、必ず声に出してください。

 

横から親が言うのではなく、お子さんが自ら言うようにしなければなりません。

力まず、軽いノリで言うのがコツです。行動を起こすまで何度も言いましょう。

そして、そのまま何も考えないようにして机に向かい、教科書を開いて1行を読み始めるのです。

 

これが、まず嫌なことを開始する時のコツです。

きっと、勉強を開始する時の精神的な負担が減ると思います。

 

こんな些細なことでも毎日、毎回と続けると大きな差になってきます。

こうやって、やらされているという受け身の人生から脱出していきましょう。

これは家事や仕事でも使えますので、ぜひお母さんもお父さんも試してみて下さい。

青葉塾

言うまでもなく、勉強は何らかの目的を達成するための手段です。 

そして、この勉強は、小中高、大学、大学院、社会人と生涯続くものです。この間ずっと目的がないまま、手段を実行していくのは精神的にも大変なことだと思いませんか?

 

人間は目的や目標もなく行動しようとすると、その先が見えず、なかなかやる気がわきません。それに対して、目的や目標が明確になると、その先が見えてきて、やる気がわいてくるものなのです。

 

先が見えず暗闇をやみくもに走るのはつらいものです。逆に光が見えれば人はその光に向かって走ることができます。

 

この目的や目標のことをひっくるめて英語ではビジョンと言いますから、まさしく先を見る、視覚イメージすることが大事になるわけです。

 

 

「急がば回れ」です。まずは、目的・目標をイメージすることにしっかりと時間と労力をかけましょう。

 

ここでつまずくと、結果的に勉強が長続きしません。だから、ここは最も注力してもらいたいところです。

 

目的と目標の違い

 

目的とは、自分の欲求に結びついた未来を実現するキーワード。目標はその目的を達成するための具体的な設定値。

 

「美しい人になる」は目的で、「1ヶ月で3kgやせる」は目標。

「周りから尊敬される人になる」は目的で、「○○大学に合格する」「塾の成績で1番になる」「算数のテストで100点をとる」などが目標。

 

つまり、「目的達成のために、目標を設定していく」ことになります。

よって、目標は大目標を設定した後、より実現可能な小さな目標に区切って設定していくと良いでしょう。

たとえ、難関校に合格することが大目標だとしても、その前段階の「塾の成績で1番になる」「算数のテストで100点をとる」、「青葉塾の添削課題を全部やる」など自分の現状に合わせて小目標を細かく設定していきます。小さな目標を着実に達成していき、その都度喜びを感じながら着実に前に進んでいくのが理想です。

 

では、まず何のために勉強をするのか目的を親子で考えてみましょう。

 

頭を良くして、将来仕事が良くできるようになるため?

豊かな知識を身に付けて、将来の生活に役立てるため?

高い学歴をつけて、良い会社に入るため?

将来、お金持ちになるため? 安定した収入を得るため?

 

あるいは、将来やりたい職業のことを考えてみるのもの良いでしょう。

夢は大きい方が良いです!

たとえば・・・

 

脳科学者になって、脳の神秘を解明するため。

医者になって病気や怪我の人を救うため。

弁護士になって弱者を救うため。

教師になって子供たちに勉強の喜びを教えるため。

建築士になって世界に誇れる建造物を建てるため。

科学者になって、原発に代わる発電システムを研究開発するため。

宇宙飛行士になって、人類が移住できる星を探索するため。

などなど。

 

あるいは、それが漠然としいる場合は、もっと手近なことでも良いでしょう。

 

勉強ができるようになって親や先生に褒められたい。

周りの人から尊敬されたい。

友達からすごいと思われたい。

かっこ良いと思われたい。もてたい!

 

など、何でもOKです。

 

この際、目的を考えるときの動機は不純でもOKです。

まずは勉強をやる気になることが優先です。

 

親が子供に模範解答、優等生の回答を求めてはいけません。

 

また、目的・目標設定の時は、「勉強しなかったらダメになるよ」というような、子供に脅しで迫るのはやめてください。目的・目標設定の時は絶対にプラス思考でのぞんでください。

 

もし勉強ができたら、こんないいことがあるよ。というように楽しいこと、気持ち良いことなどを想像させ、明るいプラスイメージをもつように導いてあげてください。

 

とにかく目的を達成したときの自分をイメージして気持ちよくなることが大切なのです。

 

逆に言えば、目的を達成した時の自分をイメージして、気持ち良くなれないようであれば、その目的は、自分には合っていないのかもしれませんね。

目的や目標を決める時点では、それが達成できるかどうかは問題ではありません。達成できるかどうか不安になることよりも、達成できたときのことをイメージすることに専念してください!

 

もしも第一志望に合格したら、好きな女の子に告白して付き合ってもらおう!と思ってがんばるのも一つです。彼女とデートしてルンルンな気持ちをイメージできれば、勉強の励みにもなります。

 

また、もしも塾の模擬試験で上位ランキングに入ったら、きっと同級生達が驚くだろう。わくわく。こんな感じでも良いのです。


動機は不純で結構!むしろ、不純な方がやる気がわく場合だってあるのです。

目的や目標を設定する際、それらを達成できたと想定した時に、気持ち良いと思えるようなことを真剣に探すべきなのです。

  

普段からできるだけ勉強に対してプラス思考でイメージできるようにイメージトレーニングをしていきましょう。

 

つまり、自分が気持ちよくなれるような目的や目標をイメージし、そして前向きに取り組んでいく。そういう風に自分の脳をしつけていくわけです。

 

そう、自分の脳をちゃんとしつけてあげるのです。

 

これは勉強に限らず、仕事でも同じです。私は今でもそう心がけています。

まずは志望校の過去問を見ましょう。

まだ、あなたが5年生であったり、6年生のこの時期であれば、問題を解かなくても良いです。眺めて見るだけでOKです。

 

解こうとして、解けないと怖気づいてしまって受験する気がなくなってしまうので、あくまで情報収集だと思って、問題を調査するといった感覚で良いのです。

 

どんな形式・内容・レベルの問題が出題され、合格基準点がどのくらいかを調査しておくのです。

そうすれば、自分がこれからどんな勉強を、どのように、どのくらいすれば良いかがイメージできます。そうなれば、これからの勉強の計画も立てやすくなります。

 

学校によって入試問題には、形式・内容・レベルに特色があります。

その特色をしっかり押さえておくと有利です。

 

6年生の夏休み以降、一通り入試範囲の勉強が終わったら、志望校(1~3校)の過去問をさらに徹底的に研究します。

 

学習塾の模擬試験の結果では志望校の合格判定結果が悪いのに、その志望校に合格する人たちがいます。そういう人たちの多くが何をやっているのかというと、志望校の入試問題を徹底的に研究し、その問題を解く勉強をしているのです。そうすれば、他の学校の問題や模擬試験の問題はあまり解けないのに、志望校の問題だけは解けるといったこともおこりうるのです。

 

その入試問題研究の具体的な進め方ですが、志望校の過去問(3~5年分)を教科書や参考書を見ながらじっくり時間をかけて解くのです。1科目3時間以上かけてもOKです。そういう場合は数日に分けてじっくり取り組むのも良いでしょう。

 

これは決して過去問の答えを見るということではありません。

あくまで参考書などを使って調べながら解くということです。

 

じっくり参考書などを使って調べながら解くという過程で、その参考書のどのくらい深くまで出題されるかがわかってきます。

 

さらに同じ過去問を3回くらい繰り返して解くと、問題の形式・内容・レベル・そして、出題者の意図までも見えてきます。

 

そこまでわかったうえで、志望校の合格に必要な対策を練っていけば、合格率は飛躍的に高まります。

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