さて、、長いこと放置していた「円卓の騎士」を再開します。
数々のファンタジーの基となったこの物語も、アーサーが王位に就き、美しいグィネヴィアと盛大な結婚式を挙げるところまでやってきました。

第9話の始まり☆始まり~☆彡

今までの「円卓の騎士」はこちら


アーサーの結婚の儀は新年を迎えるまで続きました。

城の外では、雪が音も無くたっぷりと降り積もり、時々吹く風が竜巻のように雪を舞い上げます。
北風が、城塞のわずかなすき間から入り込もうと、うなりをあげています。

けれども、大きな城の中では、たいまつが輝き、庭に咲く美しいバラの花のような王妃グィネヴィアを褒め称えながら、皆歌い、踊り、語り合いました。








騎士たちは、新年のお年玉を受け取り、自分たちの冒険について語り合っているとき、アーサー王だけは物思いにふけっていました。

『俺は彼らの冒険談を聞いているよりは、自分自身が冒険の中心にいたい』そう思っていたのです。

突然、激しい音を立てて広間のドアが開き、雪煙とともに巨大な馬に乗った男が入ってきました!

その男はキャメロットにいる騎士の中で、最も大きくがっしりしていました。
ペリノアさえも、彼の隣りだと小さく見えるほど。。

最も風変わりだったのは、その密生した緑の髪の毛と髭でした。それは、春の野草のように、背中と胸まで生い茂っていたのです。

緑の毛皮のコートの下には、アメジストがはめ込まれた大きなベルトを付け、手にはやはり緑の、輝いてよく切れそうな斧を携えています。

この奇妙な風貌の騎士は、おとぎ話から飛び出てきたようでした。ふさふさとした髪に積もった雪が溶けて、首を伝って金のひづめまでしたたり落ちていました。
軍馬の鞍や馬具は、金糸の刺繍で豪華に飾られていました。


大男がよく響く声で尋ねたとき、会場にいた者たちは、この見事な登場にぼう然としていました。

「誰がこの城、つまりこの国の主なんだい?」

場がしんと静まり返りました。

緑の騎士は会場をぐるっと眺め回し、そこにいる一人一人の顔を見つめていったのです。
ついに、その視線が王その人にたどり着いたとき、王は立ち上がって言いました。

「ちょうど良いときにいらしたことを歓迎します、ムッスィユー。我々は王妃グィネヴィアとの結婚を祝って宴会を行っていたところなんだ」

「ということは、あなたがアーサー王ですね?」緑の騎士は、まるでわが耳を疑うかのように聞いた。
「で、他の若造たちは、かの恐ろしい円卓の騎士ですかい?じゃあ、その腕前を試そうじゃないか…」

つづく