日本でも報道されていたと思いますが、今週火曜日の夜からフランス全土で国鉄やメトロ、電気やガスなどの労働組合が一斉にストに突入しました。


理由は簡単。今まで公務員に優遇されていた年金制度を改正する、という政府に反対の意志を示すため。
その権利を受けるべく、今まで一所懸命働いてきたのに、今さら何だ!!ってことでしょう。。


なんでも12年前にもその法案を通そうとして、やはり全面ストに突入となり、政府側が断念した経緯があるという、いわくつきのもの。
サルコジ大統領の手腕が問われるところと報じられています。


前々から予告されていたので、メトロはもちろん、電気・ガスなどのライフラインもストップしたら、生活に支障が出るのでは?と多少おびえていましたが、電気等は供給されてるし、メトロも基幹となる線は少ないものの走っていたりして、なんとか用事は足しています。


始まる前は、日本と比較して、なんだかんだ言っても日本人は個の利益よりも公の利益を優先するところがあって、「全面スト突入か?」と報道されても、必ず妥協点をみつけて回避されてきたように思います。


そこんところが、「自分たちの利益は得たい、でも利用客の足は守りたい」みたいな鉄道マンの意地?みたいなものを感じて勝手にカッコ良いと思っていましたが、フランス人なんてそんな意識無いんだろうな~~って思ってました。


それに、ストが始まって、結局困るのは、車など持ってない低所得者層などの労働者だったりして
同じ労働者が労働者を苦しめるってのもな~とジレンマを感じていました。


ところが、先日スト真っ只中の日に大切な用事があって、メトロを利用せざるを得なかったのですが、不規則な間隔ながらもメトロは走っていて、


しかも、係りの女性がマメに「今、○○行きの電車は、○○駅を出ました」「今、○○駅まで来ました、もう少々お待ちください」なんて状況をアナウンスしてくれて、


フランスにも立派な鉄道ウーマンがいるやんけ!!とちょっとばかり感動しました。


で、いつも思うのですが、こういうストのときに、出社する人ってのはどうやって決めるのかな~?ってこと。
志願者を募るのかなぁ、それともくじ引きとか(笑)?


いずれにしても、『市民の足を守る』という意識はフランス人にもあるんだとわかって嬉しかったです。


にしても、、、本数が減った分、通勤時などは日本の首都並みの混雑だそうで。。
そういう電車に乗り合わせた友人によると、普段からそういう状況に慣れていて「じっと忍従している」日本人と違って、
こっちの乗客はめちゃくちゃイライラしてたそうです(笑)。


乗降の際には、互いに罵声を浴びせたり、ケンカ寸前といった場面も。。。(苦笑)。


最近、急速に街中に設置された「Velib(ヴェリブ)」というレンタ・サイクルもこの『全面スト』を予測しての政府の陰謀、もとい対策だったのでは?といぶかる今日この頃です。


「ツール・ド・フランス」の国だけに、普段から通勤などに自転車を利用する人は多いです。